デートの後に、どっと疲れる感覚の話
楽しかったはずなのに、帰り道がしんどい。会っている間は大丈夫だったのに、家に帰ったら何もできない。またあの人と会うのか、と思った瞬間に少し重たい気持ちになる。
デートが疲れる、という感覚は、その関係が終わりに近いサインだとよく言われる。でも結婚相談所でアドバイザーをやってきた経験から言うと、それだけじゃない。疲れる理由は複数あって、理由によって対処が全然違う。
デートの疲れには種類がある
デートの後の疲れには、いい疲れと悪い疲れがある。充実した時間を過ごした後の疲れは、心地いい。活動量が多かった、笑いすぎた、いろんな話をした。この疲れは翌日に残らない。
問題は、悪い疲れだ。気を使いすぎた、自分を出せなかった、相手の感情に振り回された。この疲れは翌日も残る。そして次のデートを重たく感じさせる。どちらの疲れかによって、デートが疲れるという感覚の意味が全然違う。
デートが疲れる原因、パターン別に読む
気を使いすぎている
デートが疲れる一番多い原因は、気を使いすぎていることだ。相手の顔色を読みながら話す、気分を害さないように言葉を選び続ける、相手がどう思っているかを常に確認しようとする。この消耗が積み重なって、デートが終わったときにどっと疲れる。
気を使いすぎてしまう原因はいくつかある。相手に嫌われることへの恐怖がある、相手の感情が読みにくい、または相手が実際に機嫌の変動が激しい。どれが原因かによって、対処が変わる。
30歳の男性会員、颯介さんは交際中の女性とのデートが毎回疲れると相談に来た。楽しいんですけど、帰ると何もできなくて、と言っていた。話を聞いていくと、女性の機嫌が読めなくて、常に顔色を見ながら動いていたことがわかった。自分のペースで動けていなかった。気を使いすぎた疲れだった。
自分を出せていない
相手に合わせすぎて、自分を出せていないデートは疲れる。食べたいものより相手が食べたいものを選ぶ、行きたい場所より相手が行きたそうな場所を選ぶ、言いたいことより相手が聞きたそうなことを話す。これが毎回続くと、デートが自分じゃない自分でいる時間になっていく。自分を出せていないデートは、楽しくない。楽しくないのに楽しそうにしている時間の消耗は、想像以上に大きい。
会話のペースが合っていない
会話のテンポが噛み合っていないデートは疲れる。相手がずっと話し続ける、または相手がほとんど話さなくてこちらが話し続けなければならない。どちらも、会話のバランスが崩れている状態で、一方が過剰に消耗している。ずっと聞き役をやり続けるのは疲れる。ずっと話し役をやり続けるのも疲れる。自然なキャッチボールができているデートは、時間の経過が速く、疲れが少ない。
沈黙が気まずい
沈黙が来るたびに焦る、次の話題を必死に探す、このループがデートを疲れさせる。沈黙を埋めなければいけないというプレッシャーが、デート全体を緊張状態にする。逆に、沈黙が気まずくないデートは疲れにくい。黙っていても大丈夫、という安心感がある相手とのデートは、沈黙がむしろ心地いい休憩になる。この差が、同じ時間のデートでも疲労感をまるで変える。
相手の機嫌が読めない、または機嫌の変動が激しい
颯介さんのケースがこれだった。相手の機嫌が読めないと、常にアンテナを張り続けなければならない。その緊張状態がデート全体に続くと、終わったときの疲労感が大きい。相手の機嫌の変動が激しい場合は、さらに消耗が大きくなる。楽しそうにしていたのに急に静かになる、何か言うたびに反応が変わる。相手の感情の波に自分が乗せられている状態は、デートというより感情の管理業務になっていく。
疲れないデートと疲れるデートの差
自分のままでいられるかどうかが全部だ
疲れないデートと疲れるデートの差を一言で言うと、自分のままでいられるかどうかだ。取り繕わなくていい、気を使いすぎなくていい、変なことを言っても大丈夫という安心感がある相手とのデートは、時間が経っても疲れにくい。
相談所で交際が長続きしているカップルに、デートで疲れることはありますか、と聞いたことがある。疲れないわけじゃないけど、翌日に残らない、という答えが多かった。いい疲れで終わっている。自分を出せているデートの疲れは、翌日に持ち越されない。
活動量の問題じゃない
デートが疲れる理由を、活動量のせいにする人がいる。歩きすぎた、いろんな場所を回りすぎた、と。でも活動量が少ないカフェのデートでも疲れる場合があれば、一日中歩き回っても疲れないデートがある。疲れを決めているのは活動量より、その時間の中での自分の状態だ。気を使い続けた時間は、体を動かした疲れより深く残る。
相手への好意と、デートの疲れは別の話だ
デートが疲れる=相手のことが好きじゃない、という等式は成り立たない。好きな相手とのデートでも疲れることはある。好きだから気を使いすぎる、好きだから自分を出せない、という状態が疲れを生む。デートが疲れることへの罪悪感を持っている人がいる。疲れるってことは本気じゃないのかな、という自己疑念だ。でも疲れる理由を見れば、それが好意の裏返しである場合もある。罪悪感より、なぜ疲れるかを見た方がいい。
デートの疲れを減らすために
疲れている理由を一つだけ特定する
デートが疲れると感じたとき、何が疲れさせているかを一つだけ特定してみる。気を使いすぎているのか、自分を出せていないのか、会話のバランスが崩れているのか、相手の感情に振り回されているのか。原因が特定できると、対処が見えてくる。気を使いすぎているなら、少しだけ自分の意見を出してみる。会話のバランスが崩れているなら、聞き役に徹する時間を意図的に減らしてみる。特定せずに漠然と疲れを感じていると、次のデートでも同じことが繰り返される。
一つだけ、自分のためのことをデートに入れる
デートのプランを相手中心で考えているなら、一つだけ自分が行きたい場所、食べたいもの、話したいことを入れてみる。全部相手に合わせたデートより、一つだけ自分のためのことが入っているデートの方が、帰りの疲労感が違う。颯介さんへのアドバイスもこれだった。次のデートで、一つだけ自分が行きたい場所を提案してみてください、と伝えた。翌月の面談で、先月のデートが一番楽しかったと言っていた。自分のためのことが一つ入っただけで、デート全体の感覚が変わったんだよね。
