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割り勘カップルは長続きする?

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「割り勘=冷めてる」は本当か

割り勘カップルって長続きしないよね、という話をよく聞く。奢ってくれない彼氏はケチ、割り勘を提案する男は本気じゃない。SNSで定期的に燃えるあの論争だ。わかる、気持ちは。私も結婚相談所で働き始めた最初の1年は、なんとなくそう思っていた。

でも7年間、何百組ものカップルの成婚と破談を見続けていたら、あるとき気づいてしまった。奢り続けた男性がいつのまにか女性に愛想を尽かされていく一方で、初デートから堂々と割り勘を提案した男性が、3ヶ月後に成婚退会していくケースを何度も目にした。

今日はそんなお金の話。

年収1,200万円が3連敗して、年収500万円が3ヶ月で成婚した話

 

奢り続けた男が負けた理由

実際に担当した会員の話をする。

都内勤務で年収1,200万円、外見も清潔感があって話も面白い。条件だけ見れば申し分ない男性だった。初デートは必ず高級寿司、デート代は毎回全額払っていた。なのに3人連続で女性側から「価値観が合わない」という理由で交際終了になった。

原因を探っていくと、見えてきたのはお金を使うことへの無言の圧力だった。全部払う、その行為が相手に対等な関係より上下関係を作っていた。女性からすると、すごく奢ってもらえるけどなんか気を使う、という感覚が積み重なっていた。別れ際に一度だけ本音が出た。俺が今まで使ったデート代、いくらだと思ってるんだ、と。あの瞬間に全部説明がついた。

割り勘提案で成婚した男の何が違ったか

一方で年収500万円の別の会員さんは、初デートのランチで「割り勘でいいですか」と提案した。相手の女性は少し驚いた様子だったと後から聞いたけど、そのまま交際に発展して3ヶ月後に成婚退会した。

退所の挨拶に来てくれたとき、パートナーの女性がこう言っていた。最初から対等に話してくれた気がして、一緒にいて楽だった、と。

奢ることが誠意だと思っている男性に伝えたい。誠意と支配は、受け取る側にとって紙一重だ。

割り勘カップルが長続きするかどうかを決める3つの条件

 

収入が近いかどうか

完全割り勘が機能するのは、二人の収入が近い場合だ。どちらかが年収300万でどちらかが900万の場合に毎回1円単位で割り勘をすれば、数字の上では公平でも、実質的な負担感は全然違う。この感覚のズレが、時間差で関係に効いてくる。

アメリカの心理学研究で、払い過ぎる側のほうが得をする側より不満を蓄積しやすく、破局リスクが高まるという縦断研究がある。奢り続ける側が先に限界を迎えて関係を終わらせるというパターンは、現場でも何度も確認してきた。

家事も含めた対等志向があるかどうか

デート代だけ割り勘で、家事は全部女性が担うというパターンは、長続きしない。お金の分担と生活の分担はセットで考えないと機能しない。割り勘という形式だけ取り入れて、実態が非対称のままのカップルは、どこかのタイミングでどちらかが我慢の限界を超える。

対等志向が本物かどうか、双方向で

割り勘に抵抗がない女性の中にも、いざ奢ってもらえなかった瞬間に気持ちが冷める人がいる。頭では対等でいいと思っているけど、感情は違う反応をしている状態だ。これが本人も気づかないまま蓄積すると、ある日突然終わる。

割り勘でうまくいくカップルは、どちらも心から対等志向を持っていることが多かった。片方だけが対等志向で、もう片方は内心奢ってほしいという状態は、形として割り勘にしても持続しない。

割り勘の種類によって、破壊力がまったく違う

 

1円単位の完全割り勘は、ほぼ終わりの始まり

割り勘にも種類がある。全部ひとまとめに語られがちだけど、現場で見てきた経験から言うと、破壊力がまるで違う。

1円単位で毎回割り算する割り勘は、婚活市場で圧倒的に嫌われる。金額の問題じゃない。この人は私との時間をコストとして計算している、という感覚が先に来る。自分の趣味には惜しみなく使うのに、デートには出さない男性にこのタイプが多かった。

最も嫌われるのは、手のひら返しの割り勘だ

現場でトラブルが一番多かったのは、付き合う前は全額奢っていたのに、付き合った途端に割り勘に切り替えるパターンだ。金額より手のひら返し感と事前の相談なしが問題になる。付き合えたからもう頑張らなくていい、という本音が透けて見えた瞬間に、相手の気持ちが冷める。

これはXで定期的に炎上する話と同じだ。奢り論争の本質は金額じゃなくて、事前の合意と誠実さの問題だ。

令和で最も長続きするのは7対3の分担だ

現場の実感として、収入差に応じた男性7割女性3割くらいの感覚で払うカップルが最も安定していた。心理学的にも、集団主義文化では完全な公平より役割分担的な公平の方が満足度が高いという研究がある。完全割り勘よりも、状況に応じて柔軟に調整できる関係の方が、長く続く可能性が高い。

男女の本音が露骨にすれ違っている話

 

奢られたい女性は思ったより少ない

近畿大学の調査で、おごられたいと答えた女性はわずか7%だった。一方でおごりたいと答えた男性は26%だった。つまり奢ってほしい女は神話で、奢りたい男のほうが圧倒的に多いという逆転現象が起きている。

ぞわっとする数字だと思う。男性が一人で抱えている義務感を、女性側はそこまで求めていない。このすれ違いが、奢り論争を永遠に終わらせない原因になっている。

割り勘=脈なしは女性側の誤解が多い

脈がないから割り勘にしたいと答えた男性はわずか8%だった。つまり割り勘を提案してきた相手が脈なしとは限らない。むしろ、対等な関係を最初から作りたいという意思表示の場合の方が多い。

相談所でも、割り勘を提案した男性会員が女性から脈なしと判断されてお断りされたケースが何件かあった。本人は誠実に対等でいたかっただけなのに。この読み違いで縁が切れていったことが、今でも惜しいと思っている。

研究が出した答えは、割り勘か奢りかではなかった

 

38,534組を調べてわかったこと

アメリカのGladstoneらが2022年にJournal of Personality and Social Psychologyに発表した研究がある。38,534組のカップルを対象にした大規模調査で、口座を完全に共有するカップルは別管理のカップルより別れる確率が22%低かったという結論が出た。集団主義的な文化ではこの効果がさらに強くなるという。

インディアナ大学のOlsonらは2023年に230組の新婚を実験的に共同口座グループと別管理グループに分けて追跡した。共同口座グループは2年後の関係満足度が有意に高く、別れた組も少なかった。

さらにDewらが2012年にFamily Relationsに発表した4,574人の全米縦断調査では、金銭面の意見不一致は家事・性生活・子育てのどれよりも強い離婚の予測因子だった。

研究が言っているのは、割り勘かどうかじゃない

これらの研究が示しているのは、1円単位で割り算する割り勘を推奨しているわけじゃない。お金を二人のものとして捉える感覚の共有が関係を安定させるということだ。つまり大事なのは支払いの方法じゃなくて、お金について腹を割って話せるかどうかだ。

成婚したカップルの家計管理スタイルを聞くと、共同財布型か、話し合って決めた分担型のどちらかにほぼ集約されていた。完全奢り型も完全割り勘型も、長続きしているケースはどちらも少なかった。

結局、長続きするカップルがやっていることは一つだけだ

 

お金の話を、セックスより先に、腹を割ってする

長続きするカップルは、お金の話を早い段階でオープンにできている。奢る奢られるの話ではなくて、二人でどうしていくか、何が心地よくて何が嫌かを、ちゃんと言葉にして共有している。

ゴットマン博士の離婚予測研究でも、金銭に関する口論は永続的な問題として指摘されていて、表面の金額ではなく背後にある価値観や不安を話し合えるかどうかが鍵だとされている。

割り勘でも奢りでも、その話を相手と一度もしたことがないなら、関係は遅かれ早かれどこかで詰まる。

奢り論争が続いている間は、まだ可愛い方だ

相談所で長年見てきた中で、本当に危ないカップルは奢り奢られで揉めているカップルじゃなかった。お金の話を一度も、本当に一度もしたことがないカップルだ。なんとなく男が多めに払って、なんとなく続いていて、結婚してから初めて家計の話になって、そこで初めてお互いの価値観の違いが露わになる。

これが一番きつい。揉めているうちはまだ対話している。対話しているカップルはまだ伸び代がある。お金の話をできる関係かどうか。それが割り勘か奢りかより、ずっと大事な問いだよ。

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この記事を書いた人

元・大手結婚相談所でアドバイザーとして7年間勤務。

結婚・出産・子育てを経験した現在は、現場を離れていますが、これまで培ってきた恋愛・デート・婚活ノウハウを届けたいと思いブログを始めました。現場から離れた今だからこそ見える恋愛のバグと逆張りの勝ち方を教えます。

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