失ってから気づく、という話
あのとき、もっと大事にしていれば。あのとき、ちゃんと向き合っていれば。あのとき、返事をしていれば。
愛してくれた彼女への後悔は、別れた後にやってくる。しかも、じわじわと。別れた直後は清々しかった、または悲しいけど仕方ないと思っていた。でも数ヶ月後、1年後、ふとした瞬間に思い出す。あの人は、本当に自分を愛してくれていたんだと、遅れて気づく。
後悔のタイミングが遅れる理由
男性の感情処理は、女性より時間がかかることが多い。別れたとき、女性は泣いて、友人に話して、その場で感情を処理しようとする。男性は感情を溜め込んで、後から効いてくる。だから愛してくれた彼女への後悔も、別れた直後じゃなくて、時間が経ってから出てくる。3ヶ月後、半年後、または新しい誰かと付き合い始めて比較した瞬間に出てくる。後悔のタイミングが遅いから、すでに取り返しがつかない段階になっていることが多い。
愛してくれた彼女に後悔する瞬間、具体的に何が起きているか
新しい相手と付き合い始めたとき
愛してくれた彼女への後悔が最も強く出るのは、新しい誰かと付き合い始めたときだ。新しい相手と過ごしながら、以前の彼女との違いを感じ始める。
返信が遅い、記念日を覚えていない、自分の話をちゃんと聞いてくれない。こういうことに気づいたとき、以前の彼女は必ずやってくれていたということを思い出す。当たり前だと思っていたことが、当たり前じゃなかったとわかる。
34歳の男性会員、達也さんは相談所に来る前に、3年付き合った彼女と別れていた。新しい彼女ができたときに、以前の彼女のことを思い出してしまうと話してくれた。誕生日に手作りのケーキを持ってきてくれた、体調が悪いときに何も言わずに飛んできてくれた。そういう記憶が、新しい彼女との日常の中で急に鮮明になってきた、と。
孤独を感じた瞬間
一人でいるとき、しんどいことがあったとき、誰かに話したいと思ったとき。そういう孤独な瞬間に、あの人なら連絡してきてくれていたな、と思い出す。
愛してくれた彼女は、相手の状態の変化に気づく人が多い。何も言わなくても、今日なんかあった?と聞いてくる。その感度の高さを、付き合っているときは重かったり、うっとうしかったりした。でも一人になってみると、あの気づかいが何より大切だったとわかる。
相手の幸せを知ったとき
SNSで元彼女が楽しそうにしているのを見た、共通の知人から幸せそうだと聞いた、または新しい彼氏ができたと知った。相手が自分なしで幸せになっていると知ったとき、後悔が急に強くなる。
自分が手放したものを他の誰かが大切にしている。この事実が、後悔を本物にする。失ったものが価値があるものだったと、他者を通じて気づかされる瞬間だ。
ぞわっとするのは、この後悔が本人への愛情から来ているのか、自分の損失への惜しさから来ているのか、区別がつかない部分があることだ。どちらも混ざっていることが多い。
愛してくれた彼女を手放してしまう理由
愛されることへの慣れ
愛してくれる人が隣にいると、それが当たり前になっていく。当たり前になると、ありがたみが消える。ありがたみが消えると、その愛情がどれほどのものかがわからなくなる。
達也さんが別れた理由を聞くと、なんとなく物足りなかった、と言っていた。刺激がなかった、という感覚だったと。でも今思うと、その安定感こそが愛情の深さだったと言っていた。刺激を求めて手放したものが、実は一番大切なものだった。
隣の芝生が青く見えた
付き合っているうちに、他の誰かが気になり始める。または、もっと刺激的な関係があるんじゃないかという感覚が出てくる。この感覚が、今の関係への不満として出てくる。
でも隣の芝生は、近づいてみると緑が薄かったりする。外側から見えていた魅力が、中に入ると全然違った、ということが現場では何度も起きていた。手放してみて初めて、以前の関係の質に気づく。
大切にされることへの居心地の悪さ
これはあまり語られないことだけど、大切にされすぎることへの居心地の悪さを感じる男性がいる。自己肯定感が低い場合、自分はそこまで大切にされる価値がないという感覚があって、愛情を受け取ることが苦しくなる。
その居心地の悪さから関係を終わらせてしまう。でも終わらせた後に、あれほど自分を大切にしてくれた人はいなかったと気づく。
後悔した男性がやりがちな行動
連絡してしまう
後悔が強くなったとき、元彼女に連絡したくなる衝動が出てくる。久しぶり、元気にしてる?という軽い連絡から始まる場合が多い。
この連絡の動機が何かを、自分でも整理できていない場合がほとんどだ。復縁したいのか、ただ確認したいのか、孤独を埋めたいのか。動機が曖昧なまま連絡すると、受け取った相手を余計に傷つける可能性がある。
連絡する前に、自分が何を求めているかを一度整理することが必要だ。整理できていない連絡は、相手のためではなく自分のためだけの行動になる。
理想化してしまう
時間が経つと、以前の彼女のいい部分だけが記憶に残りやすくなる。嫌だった部分、別れた理由、噛み合わなかった部分が薄れていく。その結果、あの人は完璧だった、あの関係に戻りたい、という感覚が強くなる。
でも実際の彼女は完璧ではなかった。関係にも問題はあった。後悔の感情が、記憶を美化する。美化された記憶への後悔は、現実の関係への後悔とは少し違う。
達也さんに、別れた彼女の嫌だった部分はなかったかと聞いた。少し考えてから、あった、と言っていた。でも今思うと、そういう部分も含めて好きだったかもしれない、と。時間が、記憶を整理していた。
後悔した後に、何をすべきか
復縁を求めるかどうかを正直に判断する
後悔しているから復縁したい、という気持ちが出てきたとき、その気持ちの中身を正直に確認する必要がある。本当にその人ともう一度向き合いたいのか、それとも孤独から逃げたいのか、失ったことへの悔しさから来ているのか。
向き合いたいという気持ちが本物なら、相手の状況を確認した上で動くことができる。でも孤独や悔しさから来ているなら、連絡することで相手をさらに傷つける可能性がある。
