呼び方一つで、関係の空気が変わる
年上彼女への呼び方を悩んでいる男性は、意外と多い。さん付けのままでいいのか、名前で呼んでいいのか、ちゃん付けは失礼なのか。正解がわからないまま、なんとなく呼び続けている。
結婚相談所で、年の差カップルの呼び方問題を何度も見てきた。たかが呼び方、と思うかもしれないけど、これが関係の深さを如実に反映していた。呼び方が変わる瞬間が、関係の転換点になっていたカップルを何組も見ている。
年上彼女側が、呼び方に何を感じているか
経験から言うと、彼氏にさん付けで呼ばれ続けることへの感想は二分する。距離を感じる派と、丁寧で好きという派だ。でも圧倒的に多かったのは前者だ。付き合っているのにさん付けだと、恋人というより後輩に呼ばれている感覚がする、という言葉が何度も出てきた。
正直な言葉を言ってくれた女性がいた。さん付けで呼ばれると、彼氏じゃなくて部下みたいな気分になる、と。その女性は年下の彼氏と別れた後に相談所に来ていた。別れの理由のひとつに、ずっとさん付けで距離が縮まらなかった、という話があった。
呼び方のパターン別、年上彼女の受け取り方
さん付けが続く場合
付き合う前の関係ならさん付けは自然だ。でも交際が始まってもさん付けが続くと、関係の深さと呼び方にズレが生まれる。年上彼女の側からすると、まだ心の距離があるのかな、という感覚が残る。
ただし、さん付けが心地いい女性もいる。年齢差を自覚していて、敬意を感じられるさん付けが嬉しいというタイプだ。このタイプかどうかは、相手をよく観察しないとわからない。
見分けるポイントは、相手が自分のことをどう呼ぶかだ。年上彼女側がくん付けや名前呼びをしているのに、こちらだけさん付けという状態は、呼び方の非対称が起きている。この非対称が続くと、関係の非対称にも繋がりやすい。
ちゃん付けの場合
年上彼女にちゃん付けをする男性は、相手によってはかわいいと思われ、相手によっては子ども扱いと受け取られる。このリスクをわかった上で使えているかどうかが、ちゃん付けの成否を分ける。
ちゃん付けが機能していたのは、関係がかなり深まった後に自然に移行したケースだ。最初からちゃん付けで行くと、馴れ馴れしいと感じる女性が多かった。段階を踏んだ上でのちゃん付けは、親密さの表れとして受け取られやすい。
名前呼び捨ての場合
年上彼女を呼び捨てで呼ぶことへのハードルを感じる男性は多い。でも現場で聞いてきた年上女性の本音は、呼び捨てにされたい派がかなり多かった。
呼び捨てにされると、ちゃんと彼氏として見てくれている感じがする、という言葉が何人かから出てきた。年上だからといって遠慮されることへの疲れが、呼び捨てへの要求に出てくる。対等に扱ってほしい、という気持ちだ。
ただし呼び捨ては移行のタイミングが難しい。いきなり呼び捨てにすると唐突で、相手が戸惑うことがある。
呼び方を変えるタイミングの話
相手に聞くのが一番早い、でも聞き方が大事
なんて呼べばいい?と直接聞く男性がいる。これは悪くない。むしろ誠実だ。ただ聞き方によっては、ひどく事務的な空気になる。
なんて呼べばいい?より、名前で呼んでいい?の方が、受け取る側の感情が動く。許可を求める形にすると、相手に選択の余地を渡せる。
涼子さん、という32歳の年上女性会員が話してくれたエピソードだ。年下の彼氏に、涼子って呼んでいい?と聞かれた瞬間、どきっとしたと言っていた。それまでずっとさん付けだったから余計に響いた、と。その一言が、関係を一段深めるきっかけになったと話してくれた。
呼び方を変える許可を求めることは、関係を深めようとする意思表示でもある。
自然に変わる瞬間を作る
聞くのが恥ずかしい場合、会話の流れの中で自然に変えてしまうという手もある。ここぞという場面で、さん付けなしで名前だけ呼んでみる。相手の反応を見て、嬉しそうなら続ける、微妙な顔なら戻せばいい。
このやり方で呼び方が変わったカップルを、相談所でも見てきた。翔太さんという27歳の男性会員は、年上の交際相手をずっと美咲さん、と呼んでいたのが、デートの帰り道に自然に美咲、と呼んでしまったと話してくれた。相手が一瞬固まって、それからすごく嬉しそうな顔をしたと言っていた。
固まった後に嬉しそうだったなら、それはもう成功だ。
年上彼女が呼び方に敏感な理由の話
年齢差を常に意識している
年上彼女の側は、年下彼氏が思っている以上に年齢差を意識していることが多い。自分の方が年上でいいのかな、という不安が、交際を通じてじわじわ出てくる。
その不安の中で、彼氏の呼び方は関係の対等さを測る一つの指標になる。さん付けで呼ばれ続けることは、年上だから丁寧に扱われているのか、それとも本当に距離が縮まっていないのか、という不安を刺激する。
呼び方が変わる瞬間が、年齢差より関係の深さを優先してくれた感覚につながる。だから呼び方が響く。
姉さん女房的な役割への抵抗感
年上彼女の側に、無意識に姉さん女房みたいな役割を求められることへの抵抗感を持っている女性がいる。頼られすぎる、甘えられすぎる、しっかりしてる方として扱われる。年上だからと一段上の立場に置かれる感覚だ。
呼び捨てや親しい呼び方は、この立場の固定を崩してくれる効果がある。年上だから丁寧に、じゃなくて、一人の女性として向き合ってくれている感覚が呼び方に出てくる。
年上彼女への呼び方は、単なる言葉の選択じゃない。どういう関係として向き合っているかの表明に近い。
呼び方以外で関係の距離を縮める話
呼び方と態度が噛み合っていることが大事
名前で呼ぶようになったのに、態度がさん付け時代のまま、という男性がいる。呼び方だけ変えても、接し方の距離感が変わらないと、呼び方だけ空回りする。
呼び方の変化と、接し方の変化がセットで起きているカップルの方が、関係が安定していた。呼び方はきっかけで、その後の接し方の変化が本体だと思っている。
年上彼女が求めているのは対等さだ
共通して見えてきたことがある。年下彼氏に求めていることは、年上だからという特別扱いじゃなくて、一人の女性としての対等な扱いだった。
さん付けへの違和感も、呼び捨てへの憧れも、全部ここに繋がっている。年上だから遠慮しているのか、それともちゃんと対等に見てくれているのか。その判断材料の一つが、呼び方だ。
呼び捨てで呼べるようになった、というのは、年齢差を超えて向き合えるようになったサインでもある。そこまでの意味を持つんだから、呼び方ってやっぱり馬鹿にできない。
