理想の女性はどんな人ですか、と聞くと、彼は少し考えてから、ボソッと言った。
特にないです。
40代前半の研究職。お見合い写真でも笑っていない。
お見合いを終えるたびに届く女性側の感想は、毎回同じだった。
最後まで、心の中が読めなかった。
クールな男性が好きになる女性を調べると、明るい人、干渉しない人、聞き上手な人、が定番。
私も最初は、彼には明るくてよく笑う女性が合うと思っていた。
無口な人には、にぎやかな人。教科書どおりの発想
ところが、まさかの展開が待っていた。
彼が自分から、もう一度会いたい、と言ったのは、予想とは真逆のタイプ。
相談所で働いていたあいだ、無口な男性の担当は数えきれないほどしてきた。
その中でも、あの一件でようやく腑に落ちたことがある。
クールな男性が好きになるのは、彼をクールな人として扱わない女性です。
そう言う私はといえば、気を抜くと一人で3時間しゃべる側の人間です。
クールな男性が好きになる女性、よく言われるタイプの本当のところ
明るい女性が好き、は半分だけ当たっている
クールな男性は、明るい女性に惹かれる。
これはある程度、本当です。
とはいえ、心をつかむのは声の大きさじゃない。
そばにいると空気が軽くなる、その感じのほう。
にぎやかさで場を埋める明るさは、彼らにとってむしろ疲れの種になる。
好かれるのは、黙っていても機嫌がよさそうな人。
笑い声より、ふとした笑顔の回数が多い人です。
干渉しない女性が好き、の落とし穴
干渉しない女性がいい、とクールな男性はよく言う。
真に受けて放っておくと、どうなるか。
でも結局、関係は少しずつ薄まって、自然に消えていく。
彼らが苦手なのは、干渉そのものより、詮索のほう。
今どこ、誰といたの、なんで返事くれないの。
こういう確認の連打に疲れるだけで、関心を持たれるのは嫌いじゃない。
先週言ってた仕事どうなった、と覚えていてもらえるのは、すごくうれしい。
干渉しないことと、無関心は別物です。
聞き上手より、黙っていられる女性
聞き上手な女性がいい、というのも定番。
でもクールな男性は、そもそもそんなにしゃべらない。
聞き上手が力を発揮する前に、話のネタが尽きる(笑)
必要なのは、沈黙を怖がらないこと。
話が途切れたとき、慌てて次の話題を探さない。
コーヒーを飲みながら、窓の外を一緒に眺めていられる。
その沈黙が気まずくない相手に、彼らは心を許していく。
水族館のクラゲの水槽の前で、40分ほとんど話さずに過ごしたカップルがいた。
あとで彼のほうから届いた感想は、今までで一番落ち着くデートでした、の一行。
クール同士だと、誰も最初の一歩を踏み出さない
じゃあ、クールな女性とクールな男性ならうまくいくのか。
相性はいい。
ただ、相談所で見ている限り、なかなか先へ進まない組み合わせでもあった。
お互いに相手の出方を待つうちに、次のデートの約束が決まらない。
どちらも、相手から誘われたら行くつもりでいる。
二人そろって魔法瓶だと、誰もお湯を注がない。
クール同士なら、最初の一歩だけはどちらかが引き受ける。
それさえできれば、居心地のいい二人になりやすい。
クールな男性は魔法瓶。外が冷たいのは、中の熱を逃がさないため
クールに見える理由は、たいてい人見知りか照れ
クールな男性は、感情の薄い人と誤解されやすい。
面談で本人たちと話していると、印象がまるで変わる。
初対面だと、話題が浮かばずに固まる。
褒められると、どんな顔を作ればいいのか、本気で困る。
うれしいときほど、照れくさくて真顔になる。
うれしいと顔に出ないんです、と苦笑した男性もいた。
昔から母親に、怒ってるの、とよく聞かれていたそう。
クールの正体は、たいてい人見知りか照れ。
魔法瓶と同じで、外側が冷たいのは、中の熱を逃がさないため。
中身は、驚くほど熱いことが多いんです。
好きになるまでが長いから、好きになったら長い
クールな男性は一途、とよく言われる。
これは私も、担当した男性たちで実感してきた。
ただ、一途になれるのは、そう簡単には好きにならないから。
相手を見極めるまでに、とにかく時間がかかる。
交際に進むかどうかの返事を、締め切りぎりぎりまで悩む男性もいた。
そのかわり、一度決めたら迷わない。
付き合い始めてからの浮気の心配が少ないのも、たいていこのタイプでした。
長期戦は覚悟。
でも、その先には、なかなか冷めない魔法瓶が待っている。
クールに見えて、ただ無関心な男もいる
ここは、少し冷たいことを書いておく。
クールな男性の中には、魔法瓶じゃなく、ただの空き缶も混ざっている。
見分け方は、彼があなたについて何かを尋ねてくるか。
口数が少なくても、本物のクールは、あなたのことを知ろうとする。
好きなもの、仕事、休みの過ごし方。短い質問でも、ちゃんと聞いてくる。
3回会っても、あなたのことを一度も尋ねてこないなら、それはクールじゃなく無関心。
中身の入っていない魔法瓶を、いくら温めても湯気は出ない。
見切る勇気も、クールな男性選びには必要です。
クールな男性が好きになる女性の特徴
笑わなくても、怒っていないとわかってくれる
冒頭の研究職の彼の心を動かしたのは、38歳の図書館司書の女性だった。
明るくも、にぎやかでもない。
ただ、彼女はお見合いの最中に、彼にこう言ったそう。
真顔なのに、楽しそうですね。
彼はそのひと言で、肩の力が抜けたらしい。
それまでのお見合い相手は、真顔の彼を見て、不機嫌なのかと気をつかっていた。
気をつかわれるたびに、彼はますます固くなっていたらしい。
彼女だけが、表情の奥の機嫌を読んでくれた。
笑わなくても、怒っていないとわかってくれる人。
クールな男性にとって、これほど楽な相手はいないと思う。
クールなところを、いじってくれる
もうひとつ意外なのが、クールさをいじれる女性の強さ。
猫舌なのに、熱いうちに食べようとして、無言で悶えている彼。
それを見て、ニヤッと笑いながら、今の顔、写真撮りたかった、と言える人。
クールな男性は、周りから一目置かれているぶん、いじられ慣れていない。
かっこいいね、と崇められるたびに、クールな自分を演じ続けないといけなくなる。
そこへ、ただの普通の人として笑ってくれる女性が現れる。
彼にとっては、ようやく肩の荷を下ろせる場所が見つかったようなもの。
デート中、彼の靴下が左右で色違いなのに気づいた女性の話。
今日は攻めてますね、と真顔で言ったら、彼が吹き出して止まらなくなったそう。
その日を境に、彼からの誘いの頻度が倍になった。
崇めない女性のほうが、最後に選ばれるんです。
小さな変化に気づいて、大げさにしない
クールな男性の感情は、とにかく表に出る量が少ない。
だから、小さな変化に気づける人が強い。
今日、機嫌いいね。
その髪、切った?
気づいたら、それをひと言で済ませる。
え、すごい、なんで、と盛り上げると、彼は恥ずかしくなって、次から変化を隠すようになる。
気づくけれど、騒がない。
そのさじ加減がわかる女性に、彼は少しずつ素の顔を見せていく。
LINEが短くても、気にせず続けられる
クールな男性のLINEは、たいてい短い。
了解。いいね。あとはスタンプ。
これを冷たいと受け取って、長文で返してしまう女性は多い。
でも本人からすれば、短い返事が平常運転。
愛されるのは、短いやりとりのリズムに、無理なく合わせられる人。
スタンプだけで一往復が終わっても、気にしない。
長い話は、会ったときにすればいい。
そう割り切れる女性の前で、彼は安心してスマホを置ける。
自分の世界を持っていて、彼の一人時間を怖がらない
クールな男性の多くは、一人の時間がないと息が詰まる。
週末に一人で釣りに行く、部屋で黙々とプラモデルを作る。
それを、寂しいとか、私といるより楽しいの、と受け取る女性とは長続きしない。
最後まで隣に残るのは、彼が一人で過ごす間、自分も好きなことに夢中になれる女性。
お互いの一人時間を、気持ちよく見送り合える関係。
クールな男性が結婚を決める相手は、たいていこういう人でした。
クールな男性にやりがちな、逆効果のアプローチ
ハイテンションで反応しすぎる
クールな男性を落とすには、リアクションを大きく、という助言も目にする。
正直言って、これは相手を選ぶ。
彼のひと言に、えー、すごい!と毎回大きく反応する。
本人は場を温めたい一心でも、クールな男性には、テンションの高さが圧として届く。
クールな人がタイプだという会員さんの話。
ネットで読んだ通りに、毎回大げさに反応し続けていた。
お断りの決め手は、会うたびに少し疲れる、だった。
反応は、小さくていい。
ただし、外さないこと。
楽しい?どう思う?と、感想を催促する
クールな男性は、気持ちを言葉にするまでが遅い。
デート中に、楽しい?と何度も確かめられると、答えを急かされている気分になる。
楽しくないのとは違う。
楽しいと口に出すのが、照れくさいだけ。
感想は、次の日のLINEに短く届くこともある。
昨日はありがとう。また行きたい。
その一行に、彼の精いっぱいが詰まっています。
質問攻めで、心の蓋をこじ開けようとする
これは、私の恥ずかしい話。
20代の頃、職場のクールな先輩に片思いをしていた。
飲み会のたびに隣の席をキープして、質問攻め。
休みの日は何してるんですか。好きな食べ物は。彼女いるんですか。
3回目の飲み会で、乾杯のあと、先輩はチラッと私を見て、突然反対側の端の席に移っていった。
(え、今の、避けられた…?)
あの夜は、ジョッキを持つ手が震えた(泣)
魔法瓶の蓋は、力ずくで回すほど、固く締まる。
あの時の私は、蓋をこじ開けることしか考えていなかった。
今の私なら、隣で黙って焼き鳥を串から外して、さりげなく皿を寄せるくらいで止めておく。
クールな男性の脈ありサインと、心の蓋の開け方
脈ありは、言葉より行動と沈黙に出る
クールな男性の脈ありサインは、言葉にはほとんど出てこない。
見るべきは、行動と沈黙。
前に話した、どうでもいい話を覚えている。
お気に入りの店や本を、わざわざ勧めてくる。
苦手なことや、小さな失敗を自分から話す。
二人のときの沈黙が、だんだん長くなる。
最後のは不思議に思われるけれど、沈黙が長くなるのは、気をつかわなくなった証拠。
クールな男性にとって、黙っていられる相手は、心を許した相手なんです。
本気になると、生活の話が増える
クールな男性の本気は、愛の言葉より、生活の話に出る。
冷蔵庫を買い替えようと思ってるんだけど、どっちがいいと思う。
今度の連休、実家に顔を出すんだけど。
こういう、自分の暮らしの相談を持ちかけてきたら、かなり本気。
彼の生活の中に、あなたの席が用意され始めた合図です。
相談所でも、真剣交際に進む直前のクールな男性は、決まって家電や住む街の話を始めていた。
甘いセリフを待っていると、このサインを見逃してしまう。
蓋は、こちらが先に少しだけ開ける
じゃあ、どうすれば心の蓋が開くのか。
答えは意外と単純で、先にこちらの中身を少し見せること。
実は昨日、仕事でミスして落ち込んでて。
こういう小さな打ち明けを、重くならない温度で先に出す。
いきなり元彼の話を全部、のような重たい中身はまだ早い。
最初に見せるのは、スプーン一杯分くらいでいい。
すると、クールな男性は、自分も何か返さなきゃ、と少しずつ話し始める。
先に温度を見せた人にだけ、彼らは自分の温度を見せるからね。
