清潔感があって、話も面白くて、仕事もできる。
なのに、なぜか独身。
そんな男性に出会うと、まず頭をよぎるのは、たぶんこれ。
何か、問題があるんじゃないか。
気になっている彼がまさにそれなら、なおさらです。
期待していいのか、深入りしないほうがいいのか。
よく挙がる理由は、理想が高い、遊び人、仕事人間、結婚願望がない。
どれも、一応は当たっている。
ただ、結婚相談所で、この手の男性を何人も担当してきた私の答えは少し違う。
彼らの多くは、モテるから独身なんじゃない。
そもそも、外から見えるほどモテてもいないんです。
誰からも誘われないまま、一人の生活が完成しきった人たち。
地雷かどうかを見るなら、昔の女性遍歴より、今の週末の使い方。
モテそうなのに独身の男性は、たいしてモテていない
モテそう、というのは、あくまで外から貼られたラベル。
中身を開けてみると、ラベルとは正反対の暮らしが出てくることが多かった。
誰からも誘われないんです、と入会してきた38歳
身長178センチ、外資系の営業職、声が低くて聞き取りやすい38歳。
入会面談で理由を尋ねると、彼は少し照れながら言った。
誰からも誘われないんです。
正直言って、耳を疑った。
話を聞くと、20代の頃は向こうから声がかかるのが当たり前だったらしい。
ところが30代に入ったあたりから、誘いが途絶えた。
職場では、彼女いるんでしょ、が挨拶代わり。
否定するのも面倒で、笑ってごまかしているうちに、気づけば5年。
誘われ慣れた人は、誘い方を知らない。
練習する機会が一度もないまま、30代の後半に差しかかっていた。
モテていた過去が、そのまま独身の理由になっていたんです。
ちなみに相談所に登録した途端、彼へのお申し込みは月に20件超え。
スマホの通知を見て固まる彼に、ほら、魅力の問題じゃなかった、と笑ってしまった。
相談所のプロフィールは、彼にとって初めての、自分から手を挙げる場所。
どうせ彼女いるでしょ、が彼を独身にしている
周りの女性たちに、悪気はありません。
あんなに素敵な人に、相手がいないわけがない。
そう思って、最初から候補に入れていないだけ。
誰もが遠慮して、誰も声をかけない。
その結果、モテそうな人ほど、週末がガラガラになる。
これ、20代の私もやっていた。
職場の3つ上の先輩に、半年間ひそかに片思い。
どうせ彼女いるよね、と決めつけて、ご飯ひとつ誘えなかった。
送別会の帰り道、その先輩が笑いながらこぼした。
ここ3年、誰ともデートしてないんだよね。
(あの時の私の半年、返して…)
決めつけは、本人に確かめるまでただの想像です。
決めつけで身を引いた人の数だけ、彼の独身歴は延びていく。
職場にこういう人がいたら、まず普通に話しかけてみる。
それだけで、遠巻きに眺めている周りより、一歩前に出られる。
お見合いで落ちるのは、むしろモテそうな男性だった
相談所のお見合いでも、不思議な現象があった。
写真で申し込みが殺到する男性ほど、お見合いのあとにお断りされる。
女性側から届く感想は、決まってこう。
感じはいいけど、私に興味がなさそうでした。
理由を探ると、単純な話。
彼らには、相手に質問する習慣がない。
20代のころは、黙っていても相手が質問してくれたから。
興味を口に出して示す練習を、一度もしてこなかったんです。
質問を3つ用意してから行く、と決めた男性会員は、次のお見合いで交際に進んだ。
たった3つの質問で、と本人が誰より驚いていた。
モテそうなのに独身の男性が結婚しない、本当の理由
もちろん、誘われないことだけが理由じゃない。
面談で見えてきた理由は、ほかにも三つある。
どれも、本人にその自覚はほとんどない。
一人の生活が、完成しすぎている
真剣交際に入って、初めて彼の部屋に招かれた女性会員がいた。
床はピカピカ、本棚は高さ順、コーヒー豆は3種類。
週末は、土曜の朝がジム、午後がサウナ、日曜は実家の手伝い。
彼女いわく、自分が座る場所がどこにも見当たらなかったそう。
一人の暮らしが快適に仕上がりすぎると、人は誰かを入れる隙間を作らなくなる。
完成したジグソーパズルに、新しいピースをはめる場所はない。
本人は、結婚したいと本気で言っている。
でも、そのピースをどこに置くかまでは、考えたことがないんです。
このタイプと付き合うなら、パズルを壊そうとしないこと。
外側にピースを一枚ずつ足してもらう発想で。
月に一度、彼の土曜の朝だけをもらう、とか。
例の彼女も、合鍵の話より先に、週末の予定を一緒に書き直す話を切り出した。
理想が高いんじゃなく、注文が細かすぎる
相談所の検索画面で、条件に15個チェックを入れていた男性会員がいる。
年齢や身長だけじゃない。
料理が得意、猫アレルギーなし、実家が車で1時間以内、休日はアウトドア派。
一つひとつは、ささやかな希望です。
ところが全部を掛け算すると、当てはまる女性は数人しか残らない。
理想が高い人は、まだいい。
高さなら、どこかで折り合いがつく。
細かすぎる人は、本人がその細かさに気づいていない。
注文の細かさは、たいてい一人暮らしの長さに比例していた。
条件を外す相談をしたとき、彼は最後まで猫アレルギーにこだわった。
そこは外していい、と何度言ったか分からない。
チェックを3つまで減らしてもらったら、お見合いが月に5件組めるようになった。
はぁ…条件を外すのに、3か月かかったけど(泣)
一度、結婚の手前で引き返したことがある
もうひとつ、意外と多いのがこのパターン。
アラフォーの男性会員には、婚約までいって破談になった人が何人かいた。
式場の下見までしたのに、最後の最後で話が流れた。
理由はそれぞれでも、その後の動き方はよく似ている。
好きになりかけると、自分から距離をとる。
また同じところで壊れるのが怖いから。
式の2か月前に婚約を解消された男性会員がいる。
それから4年、彼のデートは必ず3回目で止まった。
4回目に進めたのは、結婚の話を一度も急かさない女性に出会ってから。
彼女がしたのは、毎回のデートを、次も会えたらうれしい、で締めることだけ。
それが傷のままなのか、もう教訓に変わっているのか。
そこは本人の話しぶりからしか読み取れない。
私も、見誤ったことが何度かある。
ひとつ言えるのは、このタイプに結婚の話を急かすと、確実に逃げること。
将来の話は、彼の口から出てくるまで待つのがいいと思う。
地雷かどうかは、過去より今の週末で見分ける
モテそうなのに独身と聞くと、元カノの話を聞き出したくなる。
けれど、過去の恋愛はいくらでも編集できるんです。
本人の都合で切り取られた、映画の予告編みたいなもの。
元カノの話より、彼の土曜日を聞く
編集しにくいのは、今の暮らし。
とくに、土曜日の過ごし方です。
ジム、サウナ、草野球、実家。
朝から晩まで予定が埋まっていたら、完成したパズル型を疑っていい。
毎週末、違う女友達と飲み歩いているなら、遊び人の線も消えない。
逆に、週末はほぼ寝てます、と照れくさそうに答える人。
実は、こういう人のほうが入り込む余地がある(笑)
寝てます、の裏には、誘われたら起きます、が隠れている。
空白のある週末は、誰かが座れる椅子が一脚空いているのと同じ。
聞くなら、二人で並んで歩いているときがいい。
向かい合って聞くと、尋ねる側の目が真剣になりすぎるから。
本物の地雷は、モテそうかより口ぐせに出る
モテそうなのに独身という肩書きと、地雷であることは別の話。
本物の地雷は、会話の口ぐせに出ます。
どうせ女の人ってさ、と女性をひとくくりにする。
前の彼女の話が、毎回、向こうがおかしくて、で終わる。
何を決めるにも、母に聞いてみる、のひと言が挟まる人も。
この三つのどれかが繰り返し出てきたら、一度足を止めていい。
モテそうでもモテなさそうでも、地雷は地雷です。
あなたのために、予定を一つずらしたか
本気を見るのに、何より確かな試験紙がある。
会いたい日を伝えたとき、彼が自分の予定を一つ動かしてくれるか。
サウナの日は動かせないんだ、を3か月言われ続けた女性会員がいた。
彼女が交際終了を告げた日、彼は少し驚いていたそう。
(驚くところ、そこじゃない…)
別の女性会員の彼は、毎週の草野球を一度だけ休んで、彼女の誕生日に合わせてくれた。
たった一度!
それでも彼女には、自分のためにパズルを崩してくれた、と分かった。
二人は翌年、成婚退会している。
誘ったとき、彼がスマホのカレンダーをチラッと見て、その日は無理、で終わるのか。
じゃあ別の日はどう、と返ってくるか。
そこに、彼の本気が全部出ます。
大事なのは、動かした予定の大きさより、動かそうとした気持ちのほう。
モテそうなのに独身の男性を好きになったら
彼が地雷じゃなさそうなら、話は早い。
むしろ、出会ったタイミングとしては悪くない。
みんなが遠慮している今が、いちばん空いている
周りが勝手に遠慮しているあいだ、彼の土曜日は空いている。
マジで、競争率は見た目ほど高くない。
誘い方のおすすめは、相談の形。
この店に行ってみたいんだけど、一人だと入りにくくて。
デートの誘いより、断る理由が見つけにくい。
誘われ慣れていない今の彼にとっても、乗りやすい船です。
照れ隠しで、そっけない返事が来ることもある。
そこは、額面どおりに受け取らなくていい。
誘う日は、彼の時間割が読めてからで大丈夫。
土曜の朝がジムなら、午後のお茶から。
ここは強く言い切っておく。
モテそうなのに独身の男性は、待っていても来てくれません。
来ないのは、あなたに興味がないからじゃない。
行き方を、知らないだけ!
追いかけすぎると、彼の時間割の一コマにされる
ただし、落とし穴もひとつ。
完成した生活を持つ男性は、恋人まで時間割に組み込もうとする。
火曜はジム、木曜はサウナ、金曜はあなた。
毎週金曜に会えるのは、一見うれしい。
でも、時間割の一コマになった恋は、時間割ごと続いても、それ以上には育ちにくい。
金曜の恋人を3年続けた末に、相談所へ入会してきた女性もいた。
結婚の話を出しても、彼の時間割は一行も変わらなかったそう。
だからこそ、たまに曜日を崩す。
今週は日曜がいい、と言ってみる。
崩すのは、月に一度で十分。
毎週崩すと、それはそれで彼の暮らしそのものを壊す。
時間割を書き換えてくれたら、あなたは一コマ以上の存在です。
モテそうなのに独身だった男性が、結婚を決めたとき
最後に、例の38歳の話の続きを。
予定を崩されたのが、妙にうれしかった
誘われないんです、と入会してきた彼。
相談所では、デートに誘うのは男性から、という空気がある。
彼は生まれて初めて、自分から誘う側に回った。
3人目のお相手は、最初から彼をモテそうな人として扱わない女性でした。
ふつうに笑って、遠慮なく突っ込んで、その場で次の約束を決める。
そして2回目のデートの帰りに、こう切り出す。
次の土曜、ジムお休みできません?
彼は突然のお願いに戸惑いながら、ジムを休んだ。
その月のジムの会費は、一回分損したと笑っていた。
成婚退会の日、彼はこう振り返った。
自分の予定を崩されたのが初めてで、それが妙にうれしかったんです。
決め手は、条件でも見た目でもなかった。
誘われるのには慣れていても、予定を崩されるのには慣れていない。
まさか、ジムを一回休んだだけで結婚が決まるとは、本人も思っていなかったはず。
独身の理由より、彼の週末に空白ができるかを見る
モテそうなのに独身の理由を探しても、答えは彼の過去の中にしかない。
過去は、もう動かせないもの。
動かせるのは、これからの土曜日だけ。
彼の週末の空白は、待っていても生まれない。
誰かが一度、崩してみせるしかないんです。
地雷を怖がるより、一度、彼の予定を崩してみるといい。
崩れたら、そこがあなたの席になる。
崩れなかったら、その時は潔く次へ。
パズルが崩れるのを嫌がらない人なら、あなたのピースはきっと入る。
でも結局、損をするのは、どうせ彼女いるでしょ、と眺めているだけの人。
清潔感があって、話も面白くて、なぜか独身の彼。
その土曜日、案外誰の予定も入っていないかもしれない。
