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お泊まりデートで何もしない彼氏の心理。女としての価値がないのか大事にされてるのか

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何もされなかった朝、鏡の前で固まった人へ

枕がふたつ並んでいて、間に三十センチの空白。
彼はすぐ寝息を立てはじめた。
こっちは目が冴えてしまって、天井のシミを数えるはめになる。もぞもぞと寝返りを打ちながら、頭の中だけがぐるぐる回っていたでしょ。

朝になっても彼はふつうだった。パンを焼いて、コーヒーを淹れて、昨日のドラマの話をして。何事もなかった顔。それが余計にざわざわする。

あなたが打ち込んだ検索ワードの、本当の意味

お泊まりデートなのに何もしてこない彼氏、と検索した指は、私にはそういう対象としての魅力がないんですか、と聞いてる。七年間、婚活の現場で似た相談を数えきれないほど受けてきて、最初の五分で本題を言う人はほとんどいなかった。みんな遠回りする。彼の気持ちが分からなくて、という前置きから入って、三十分後に泣きながら本音が出る。私って女として終わってるんでしょうか、って。

手を出さない男の頭の中は、思っているより格好悪い

女性側は勝手に美しい物語を作る。私を大切にしてくれている、真剣だから焦らない、結婚まで待つつもり。
そういう男も、いる。
でも割合でいうと、少数派だった。

断られるのが死ぬほど怖い、これが大半

男の恐怖を舐めないほうがいい。手を伸ばして体をよじられる、あの一秒で自尊心が粉々になる経験をした男は、次から動けなくなる。過去に一度でも拒まれた記憶がある人は、隣に好きな女がいてもカチカチに固まったまま夜が明けます。

相談所時代、成婚退会が決まった男性会員から打ち明けられたことがある。三十八歳、真面目、年収も悪くない。彼が言うには、大学生のとき彼女に体を触ろうとして、今日はやめてと言われて以来、自分から誘えなくなった、と。二十年です。二十年間、女性が明確に許可を出すまで指一本動かせない体になっていた。

腹まわりと、におい、あと言いにくいもうひとつ

女性が自分の体型を気にして電気を消したがるのと同じくらい、男は自分の腹と体臭を気にしている。しかも口に出さない。プライドが邪魔をして、ダイエット中なんだよねの一言すら言えない。

そこにもうひとつ。うまくできなかったらどうしよう、という恐怖。
これが実はいちばん重い。
経験の少ない男ほど、初回で失敗して幻滅されるくらいなら何もしないほうがマシだと計算する。臆病というより、防衛。

同意が当たり前になった時代、真面目な男ほど動けない

据え膳食わぬは男の恥、というあの古い言葉が、令和の男を縛るのをやめた代わりに、別のものが縛りはじめた。同意のない接触は加害だ、という正しい空気です。

正しい。まったく正しい。
ただ、副作用として、誠実な男から順に固まっていった。乱暴な男は空気なんて読まないから、今も昔も変わらず手を出す。萎縮したのは、あなたを傷つけたくないと本気で思っている側だけ。
つまり、何もしてこない彼は、女性の気持ちを想像しすぎて動けなくなった人かもしれない。

大事にされてる証拠、という慰めを一度捨てる

ネットで見つけた記事に、大事にされている証拠ですよ、と書いてあってホッとした。その気持ちは分かる。でもあれは半分しか当たっていない。

大事にしているから何もしない男と、面倒だから何もしない男は、外から見た行動がまったく同じなんです。夜、背中を向けて寝る。それだけ。区別がつかない。だから彼の内心を分析する時間はほぼ無駄になる。

成婚していったカップルに共通していたのは、行動じゃなかった

これは現場にいた人間としての実感です。お泊まりで何も起きなかったカップルのその後を、何十組も追いかけて見てきた。別れる組と結婚する組を分けたのは、その夜に何をしたかではなく、翌朝に言葉があったかどうかだった。

昨日、緊張して何もできなかった。ごめん。
たったこれだけを言えた男は、その後ほぼ全員が続いた。
黙って何事もなかった顔でパンを焼いた男は、半年以内に自然消滅していく確率がぐっと上がる。

理由は単純で、説明できない男は、この先も説明しないから。転職も、実家との関係も、結婚の意思も、全部黙る。夜の話じゃないんですよ、これ。

優しさと怠慢は、見分けなくていい

彼が優しいのか怠けているのかを判定しようとするのは、やめたほうが早い。あなたが必要としているのは、心地よく触れられる関係でしょ。だったら判定より、次の一手。

一回目と三回目は、まったく別の話

初回に何も起きないのは、そこらじゅうで起きている

初めてのお泊まりで何もない、これは珍しくもなんともない。緊張、生理周期の読み違い、部屋の匂い、風呂上がりのタイミング、隣の部屋の物音。理由なんて無数にある。ここで悩むのは早すぎる。ドキドキしすぎて寝落ちしただけの男も、私が聞いた範囲で相当な数いた(笑)

三回続いたなら、それはもう彼の性格か、あなたの置き場所

三回目も同じ夜が来たら、話が変わる。そこには彼の性質が出ている。
性欲が薄い人。体調や薬の影響で動けない人。恋愛感情と性的欲求が別々に動く人。どれも実在するし、悪ではない。

ただし、もうひとつの可能性を私は隠さない。あなたを、いつでも会える安心枠に置いている場合がある。追いかける必要がないから、体温が上がらない。冷たいようだけど、そういう男は本当にいます。

見分け方は簡単。彼が、あなた以外の何かに対しては情熱的かどうか。仕事でも趣味でも推しでも構わない。何かには夢中になれるのに、あなたにだけエネルギーを使わない人は、性欲が薄いんじゃなくて優先順位が低い。

女から誘うと軽く見られる、は捨てていい

言い切ります。あれは嘘です。

七年間で、女性から誘ったせいで壊れたカップルより、待ち続けて枯れていったカップルのほうが圧倒的に多かった。数える必要もないくらい差がありました。軽く見る男は、誘われなくても軽く見る。誘い方の問題じゃなく、その男の質の問題。

いちばん効いたのは、色っぽい台詞じゃない

会員さんに教えていた誘い方は、色気ゼロです。
今日、手をつないで寝てもいい?
これだけ。

性的な要求として受け取られないから、男が逃げ場を失わない。断られても致命傷にならない。そして、手をつないだ状態の夜が、そのまま次に進む確率はかなり高かった。壁を壊すんじゃなくて、ドアの鍵を開けておくイメージです。

断られた人たちの、その後

もちろん断られた人もいた。ごめん、まだ心の準備が、と言われて、しーんとした部屋で泣きそうになった女性を何人も見送った。

でもね。そのうちの何人かは、そこから話し合いが始まって結婚まで行ってる。断られたことで、彼が抱えていたものを初めて聞けたから。ED、宗教的な理由、過去のトラウマ、無精子症の告知を受けた直後だった人もいた。黙っていた男が口を開くきっかけは、たいてい女性からの一歩でした。

何もない夜のほうが落ち着く、という本音があるなら

ここ、あまり書かれないから書いておく。
実は安心してる人、けっこういるんですよ。求められないことに傷つきながら、同時にホッとしている。過去に体だけの関係で消耗した経験がある人ほどそう。

安心と諦めは、朝の顔に出る

違いは朝に出る。目が覚めて隣の寝顔を見たとき、あたたかいなと思えたなら、それは安心。何も感じずスマホを手に取ったなら、たぶん諦め。
このへんは、正直、私にもきれいに線が引けない。人による、としか言えない部分が残る。それでも自分の朝の感情だけは、他人より正確に読めるはずです。

あの夜の意味が分かったのは、結婚して四年目だった

最後に自分の話を。

今の夫と初めて泊まった夜、何も起きなかった。私は当時アドバイザーとして偉そうに人に助言していた側なのに、自分のことになると全然だめで、朝までひとりで落ち込んでた。私、対象外なんだ、って。翌日ひとりで帰りながら、駅のホームでぽろっと涙が出たのを覚えてる(泣)

何年も経ってから聞いたら、彼はこう言った。あの日、酔って寝てしまうのが怖くて水しか飲まなかった、そのくせ緊張で腹を壊してトイレに三回行った、と。
バカでしょ。ほんとにバカ。
私が女としての価値をぐるぐる疑っていた同じ時間に、この人はトイレで冷や汗かいてたわけです。

男の沈黙には、こっちが思うような深い意味がないことが多いんです。

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