2回目のデートで、パスタが半分ほど減ったころ。
その質問は、たいてい突然飛んでくる。
元カレって、どんな人だったの?
フォークを持つ手が止まって、背中がヒヤッとする。
正直に話すべきか、ぼかすべきか。そもそも、なぜそんなことを聞くんだろう。
多めに答えたら軽く見られるかもしれないし、少なすぎても重いと思われそう。
過去の恋愛を聞くのは好意の表れ、とよく言われます。
半分は当たっています。
問題は、残りの半分。
結婚相談所のアドバイザー時代、男性会員のデート報告を聞き続けてきました。
その中には、好意とは別の理由で元カレを掘り返す男性が、笑えるほどたくさんいた。
沈黙を埋めたい人、自分の順位を確かめたい人、元カレに勝てるか値踏みしたい人。
彼の本音が出るのは、質問そのものより、あなたが答え終えた直後の3秒。
そこさえ見ておけば、脈ありか、ただのネタ切れか、嫉妬の芽かは見当がつきます。
過去の恋愛を聞く男性心理は、脈ありとは限らない
好意があるから、相手の過去を知りたくなる。
理屈はきれいだけど、現場で見てきた男性たちはもっと雑でした。
お見合いで元カノの話を出す男性は、ほぼお断りされていた
相談所には、お見合いで避けるべき話題というものがあった。
宗教、政治、年収の細かい額、それから過去の恋愛。
入会時のオリエンテーションで、男性会員には念を押して伝えていた。
出会ってすぐ昔の恋を聞かれると、女性は面接でも受けている気分になるから。
なのに、毎月のように誰かがやらかす。
しかも本人に、悪気はまったくない。
会話が止まって焦って、つい口から出ました、という言い訳がお決まり。
翌日には、女性側の仲人さんからお断りの連絡が届く(笑)
(説明用のスライド、丸々1枚使ったんだけどな…)
初対面で、前の恋人とはなぜ別れたんですか、と聞かれた女性会員の感想は、ひと言。
取り調べみたいで怖かった。
彼らに共通していたのは、相手への興味より、沈黙への恐怖。
過去の恋愛は、誰にでもある鉄板ネタに見えるらしい。
引き出しが空になった男性ほど、そこに手を伸ばす。
沈黙の穴埋めに、元カレの話を使う人
交際に進んでからも、この手の男性はそう簡単には減りません。
デート報告で、昨日は元カノの話で盛り上がりました、と胸を張る男性会員がいた。
女性側から届いた返事は、真逆!
昔の恋愛の話ばかりさせられて、疲れました、と。
このタイプは、質問が浅いのが特徴です。
どういう人?いつ別れた?で止まって、深掘りもしない。
答えている途中で、デザートのメニューを開いたりもする。
ある女性会員は、元カレとの別れ話を打ち明けている最中にそれをやられた。
彼女がカチンときたのは、言うまでもありません。
つまるところ、間さえ持てば、中身はどうでもよかったわけ。
まともに相手をする必要なし。
普通の人だったよ、くらいで切り上げて、こっちの好きな話題に連れ出せばいい。
旅行でも、食べ物でも、行きたい店でも。
質問の仕方で分かる、過去の恋愛を聞く男性の本音
全員がネタ切れ組かというと、そうでもない。
どこを聞いてくるかで、彼の頭の中はかなり読めます。
何人と付き合ったか聞く男は、自分の順位を気にしている
人数を聞きたがる男性の頭の中には、たぶん順位表がある。
その表のどこに自分が入るのか、確かめずにいられないタイプ。
これには苦い思い出があります。
26歳の合コンで、向かいの男性に何人と付き合ったのか聞かれた。
律儀な私は、指を折って数えはじめてしまって。
1本、2本、3本。
4本目に差しかかったあたりで、彼の笑顔が固まっていくのが分かった。
5本目を折る前に、隣の友人にテーブルの下で足を蹴られた(泣)
その夜、彼からの連絡はゼロ。
数で聞かれたからといって、数で返す義務はないんです。
本気で好きだった人は二人、という言い方で十分伝わるはず。
嘘はついていないし、順位表の男もひとまず安心する。
それでも、で、何人なの?と粘る男性もいる。
そういうときは、そっちは?と先に聞き返してみて。
人数を気にする男ほど、自分の番が回ってきたとたん、口が重くなる。
別れた理由を聞く男は、結婚まで見ている
同じ過去の恋愛でも、別れた理由を聞いてくる人は毛色が違います。
あれは、医者が問診票で既往歴を確かめるのに近い。
同じ症状を繰り返す人なのか、自分との間で再発しないか。
先の生活まで頭にあるから、そこが気になって仕方ない。
真剣交際に入った男性会員から、相談されたことがある。
彼女の前の恋愛がなぜ終わったのか、聞いてもいいものかと。
聞いていいけど、問い詰める口調にはしないこと。
私の答えは、それだけでした。
この質問が出たら、むしろ喜んでいい。
遊び相手の過去に、ここまで踏み込む男はまずいない。
答えるときは、相手を悪者にせず、自分側の事情を一行添えるだけ。
たとえば、将来の話で少しずつ向く方向がずれていった。
これ以上の説明はいりません。
浮気されて終わった恋なら、なおさら一行で止める。
被害の詳細まで語りだすと、デートが元カレの欠席裁判に早変わりするから。
元カレの年収や写真まで欲しがる男は、嫉妬が先に立つ
怖いのは、ここからです。
元カレの仕事や年収、写真はあるのか、どこまでいったのか。
質問が回を追うごとに具体的になっていく男性がいます。
交際3か月目の彼に、元カレの写真を見せてと迫られた30代の女性会員もいる。
断りきれずに見せたら、その日から比較が始まったそうです。
あいつとはどこに行った?俺とどっちが楽しい?
面談で話す彼女の目の下には、濃いクマができていた。
はぁ…こういう相談が、いちばん胃にくる。
これは好意というより、嫉妬が先に走っている状態。
最初は可愛いヤキモチに見えても、放っておくと束縛に育ちやすい。
スマホを見せて、と言い出す日もそう遠くない。
叩かれるのを承知で言い切ります。
元カレの写真をせがむ男からは、早めに離れたほうがいい。
見せてと言われた時点で、断って構わない。
断って機嫌を損ねるなら、その不機嫌がこの先のあなたの日常になる。
彼女はその月のうちに、交際終了を選んだ。
脈ありかどうかは、答えた後の3秒で決まる
質問の種類で、おおよその傾向はつかめる。
でも本当の答え合わせは、あなたが話し終えた直後にやってきます。
同じ質問をした3人の男性と、3通りの3秒
ひと月のうちに、3人の男性と初デートをした女性会員の話。
偶然にも、3人とも同じことを聞いてきた。
前の彼氏とは、どうして別れたの?
1人目は、彼女が答えると、そうなんだ、とだけ言ってスマホに目を落とした。
2人目は、相手の職業と年齢を矢継ぎ早に確認してくる。
その後のLINEでも、元カレの勤め先を蒸し返してきたそう。
3人目は、少し黙ってから、俺も前の彼女には振られててさ、と話し始めた。
仕事ばかりで記念日を3年連続で忘れたのが原因だと、笑いながら。
彼女が交際に進んだのは、3人目だけ。
あなたが過去のカードを一枚出したら、自分も一枚出してくる。
これが、距離を詰めたい男の素直な反応です。
1人目はネタ切れ、2人目は品定め。
3秒の使い方に、三者三様の本音がにじんでいた。
すぐ話題を変える男は、無関心か気づかいか
ややこしいのが、答えを聞くなり話題を変える男性。
どうでもいいのか、それとも気を遣ったのか。
正直言って、ここは現場でも読み違えた。
答えた直後に、そういえば最近ジム始めてさ、と急ハンドルを切った男性もいた。
話を聞いた私は、てっきり脈なしだと思い込んだ。
ところが翌週、彼のほうから真剣交際の申し込み。
重い話を振ったと、ひとりで反省していたらしい。
手がかりになるのは、話題を変えたあとの彼の顔です。
安心した表情なら、地雷を踏んだと思って慌てて引き返したパターン。
(男の人って、自分で聞いておいて自分で焦るの、マジであるある)
退屈そうなままなら、そもそも答えに関心がなかった。
どちらとも取れる顔なら、次のデートで同じ話題を自分から少しだけ出してみる。
乗ってくれば気づかい、流されたら無関心。
過去の恋愛を聞かれたときの答え方
どう答えるかで、次のデートの有無まで変わってきます。
定番のアドバイスの中には、実は裏目に出るものも混ざっている。
元カレを褒めるのは、悪口より危ない
元カレの悪口は言わないこと。
これはどのサイトにも書いてあるし、私も賛成です。
ただ、その反動で元カレを褒めちぎる女性が、意外と多い!
優しい人だった、尊敬できる人だった、私がダメだったの、と。
大人な対応のつもりでも、聞いている男性の胸の中は穏やかじゃありません。
そんなにいい男と別れたなら、自分は勝てるのか、と。
順位表を抱えたタイプなら、なおさら。
お見合いで、元カレは本当にできた人で、と30分語り続けた女性会員も。
お相手からの断り文句は、自分では敵いそうにないので。
無難なのは、褒めも貶しもしない一言。
普通にいい人だったけど、合わなかったな。
そこで止めて、元カレの人物像を膨らませない。
彼の想像の中で、元カレを巨大化させないのがコツです。
サバを読むなら、一生つき通せる数字だけ
人数は少なめに言っておくのが無難、という声もあります。
言いたいことは分かる。
とはいえ、現場で見たサバ読みの末路は、なかなかに悲惨でした。
交際経験はほとんどない、と話していた30代半ばの女性会員。
真剣交際中のデートの帰り、駅のホームで元カレに偶然出くわした。
親しげに名前を呼ばれて、隣の彼は言葉を失ったらしい。
相手の男性が引っかかったのは、元カレの存在より、聞いていた話と違うこと。
過去の恋愛の中身より、嘘のほうが重たく響いたんです。
二人はそのまま、交際終了。
サバを読むなら、共通の知り合いもいない、一生ばれない数字だけ。
そんな数字をひねり出す手間を思えば、数で答えないほうがずいぶん楽です。
掘られたくない話は、笑って閉じていい
元カレの年収、体の関係、別れ際の修羅場。
答えたくない質問には、答えなくていい。
怖い顔で突っぱねなくても大丈夫。
それ聞いて、どうするの?と笑って返すだけで、大半の男性は引き下がる。
食い下がってくるなら、その男の正体はもう割れています。
ちなみに私は、20代のころこれができずに全部しゃべっていた。
3回目のデートで、元カレの浮気相手の名前まで口にした夜もある。
聞かれたら答えるのが誠実だと思い込んでいたから。
(あの時の私に、黙秘権って知ってる?と言いたい)
でも結局、洗いざらい話した恋ほど、長くは続かなかった。
過去を丸ごと差し出すのは、誠実さじゃない。ただの在庫一掃セール。
代わりに渡すなら、その恋で変わった自分の一行だけ。
あの恋のおかげで、連絡をまめに返すようになった、とか。
過去の恋愛をまったく聞かない男性の心理
最後に、まったく尋ねてこない男性の話も。
聞かれないのも、それはそれで不安になるものだから。
1年間、元カレの話を一度も聞かなかった夫
今の夫は、付き合って1年、私の過去の恋愛について何ひとつ聞いてこなかった。
二次会で出会った夜から、私の話は毎回最後まで聞いてくれる人なのに。
元カレの話題にだけは、なぜか一切触れてこない。
最初は気楽だった。でも、そのうち不安になってくる。
私に興味がないのかな、と。
ある晩、我慢できずに私から切り出した。
なんで元カレのこと聞かないの?
返ってきたのは、まさかの答え。
聞いたら絶対比べて落ち込むから、聞かないって決めてた。
一瞬ぽかんとして、そのあと吹き出した。
(この人、順位表を持たないように、わざと目をつぶってたんだ)
それ以来、私からも元カレの話は持ち出していない。
聞かない男性の中には、自分の弱さを知っていて、あえて踏み込まない人がいる。
無関心とは、似ているようでまるで違う。
聞かない優しさと、聞かない無関心の境目
境目が出るのは、今のあなたへの質問の量です。
過去には触れないのに、仕事の愚痴や週末の予定は根掘り葉掘り尋ねてくる。
それなら、過去をあえて避けているだけ。
過去も今も聞いてこないなら、残念ながら関心の問題。
うちの夫なんて、いまだに私の高校時代の部活を毎回間違える。
そこだけは、きれいに関心の外らしい。
過去を聞くか聞かないかより、今のあなたにどれだけ質問を投げてくるか。
そこを見るのが手っ取り早いと思う。
パスタが半分減ったころに飛んでくる、あの質問。
次に聞かれたら、答えたあとの3秒だけは、彼の顔から目を離さないで。
