通知が鳴った瞬間の、あの緊張
文字でやり取りしていたのに、いきなり着信。
心臓がびくっとするでしょ。
何かあったのか。怒らせたのか。
出るまでの二コール分で、頭の中が全速力で回る。
出てみたら、たいした用じゃない。今度の週末どうする、くらいの話。それなら書いて送ってよ、と思う。思うけど言えない。
気になっているのは、電話そのものじゃない
引っかかっているのは、連絡手段の話じゃありません。
こちらの都合を確認せずに、いきなり時間を取りに来る。その感覚のほうでしょ。
七年間、婚活の現場で女性から同じ相談を受けてきました。電話が多くて疲れる、と。そのあと必ずこう続く。でも、私が冷たいんでしょうか、と。
冷たくありません。文字でできる用件に、三十分使われてるだけです。
ただ、男がなぜそれをやるのかを知っておくと、扱い方が変わる。理由は、好意の強さじゃないので。
文章が苦手なんじゃなく、文章では勝てない自覚がある
最初に、いちばん核心の部分を書きます。
書くと、格の差がはっきり出る
文章は、残ります。読み返される。比較される。
女性は、文字でのやり取りが上手い人が多い。長さも、間の取り方も、絵文字の置き方も。
その隣に自分の三行が並ぶわけです。素っ気ないと思われないか。つまらない男だと判定されないか。
男の頭の中で、それが起きてる。
電話には、その比較がありません。声の調子でごまかせるし、間があっても笑えば流れる。
つまり、電話を選ぶ男は、得意な土俵に逃げてる。逃げ、という言い方が悪ければ、自分が有利な場所を選んでる。
打つのに二十分かかっていた男性会員
面談で驚いたことがあります。四十代の男性会員に、女性への返信をその場で書いてもらったんです。
三行の文章に、二十分かかった。
書いては消す。語尾を直す。絵文字を入れて、また取る。
本人が言うには、これを毎晩やってると。
(そりゃ電話したくなるわ…)
私はその場で、電話していいですよ、と伝えました。彼にとっては三十分喋るほうが、三行打つより百倍楽だったので。
文字が苦手な人は、想像以上に苦しんでます。手抜きじゃないんですよ。
声を聞きたいという理由は、半分しか当たっていない
定番の解説ですよね。声が聞きたいから、寂しいから電話する。
現場で見た実態は、少し違いました。
本当は、確認したいことがある
文字では分からないものがあります。
いま機嫌がいいのか。自分に飽きていないか。声の温度が前と同じか。
男は、そこを不安に思うと電話をかけます。用件は口実です。
週末どうする、という質問は、返事が欲しいんじゃない。答えるときの声色を聞きたいだけ。
だから、電話が急に増えた時期がある人は注意して見てください。彼が不安になっている合図なので。しかも、その不安を言葉にできていない。
断られる回数を減らしたい、という計算もある
これは男性会員から直接聞いた話です。
文字で誘うと、断られる。
声で誘うと、断られにくい。
本人たちも気づいてるんですよ。電話で予定を聞かれると、その場で考えて返事をすることになる。断る文章を組み立てる時間がない。
ずるいと思いますか。私はそう思います。ただ、悪意でやっている人は少数でした。断られ続けた経験から、体で学習しただけの人がほとんど。
電話が多い男は、続きます
面倒だと感じる気持ちは正しい。それでも、結婚相手として見るなら評価は逆転する。
文字だけで完結する関係は、生活に入れない
成婚後の夫婦を何組も見てきた実感として、はっきり傾向がありました。
交際中に電話をしていたペアのほうが、結婚後に会話が残ってる。
理由は考えれば当たり前で、生活は文字でできないからです。
今日の夕飯。子どもの熱。親の入院。銀行の手続き。全部、口で話すしかない。
文字でのやり取りが完璧だった人が、同じ部屋にいると黙り込む。これ、本当によく見ました。ラインでは毎日盛り上がっているのに、会うと会話が続かない交際。あれは交際じゃなく、文通です。
三十一歳の女性会員が、電話嫌いを乗り越えた話
電話が苦痛で仕方ない、という女性がいました。仕事で一日中喋っているので、家では文字だけにしたい、と。
気持ちは分かる。私も同じ側の人間なので。
相手の男性は、毎晩かけてくるタイプでした。彼女はうんざりしてた。
私が伝えたのは、一つだけです。時間を先に決めてください、と。
夜九時から十五分だけ。それ以外は文字で。
彼女がそれを伝えたら、男性はあっさり受け入れました。むしろ喜んだそうです。かける時間を迷わなくて済むので。
半年後に成婚しました。退会面談で、彼女が言っていたのが印象に残ってます。
あの十五分がなかったら、この人の性格は分からなかった、と。
文字だと、彼は絶対に弱音を書かない人だったんですよ。声だと、うっかり漏れる。
電話でしか出てこない情報がある
ここ、判定材料として使えます。
相手が黙ったときに、何をするか
文字のやり取りでは、沈黙が見えません。相手が何秒悩んだかも、ため息も、全部消えてる。
電話だと、そこが出る。
話が途切れたときに、慌てて話題を出す人。黙ったまま平気でいられる人。
苛立ちを声に出す人。取り繕う人。
一時間喋ると、文字で三ヶ月やり取りするより多くのことが分かります。これは断言していい。現場で何度も確認しました。
切るときの態度で、性格が出る
私が一番見ていたのはここです。
そろそろ切るね、と言われたときの反応。
あっさり切れる人は、相手の生活を尊重してます。
もう少しだけ、を三回繰り返す人は、自分の欲求が優先される人。結婚してからも、そこは変わりません。
たった十秒の場面ですけど、けっこう正確に出ます。
負担なら、正直に伝えていい
我慢する話にはしたくないので、実務を書きます。
嫌だと言わず、時間を指定する
電話が苦手、と伝えると、相手は拒絶として受け取ります。
使うのは、条件の提示です。
九時以降なら出られる。
十五分くらいなら大丈夫。
これだけで揉めません。男は、いつかけていいか分からないから、思いついた瞬間にかけてるので。枠を渡されると、むしろ安心する。
出られないときは、理由を書いて折り返す
出なかったことより、何も返さないことのほうが、相手を不安にさせます。
今は無理、あとで、の五文字でいい。
これをやらないと、男は勝手に悪い方向に解釈します。避けられている、飽きられた、と。そこから連絡が減って、関係が冷えていく。
不在着信を放置する癖のある人は、ここだけ気をつけて。
ただし、線を越えている電話もある
擁護ばかりでも危ないので、はっきり書きます。
出るまでかけ続ける人は、別の問題を持ってる
一日に何度も。深夜に。出るまで止まらない。
これは連絡手段の好みじゃありません。相手の時間を自分のものだと思ってる状態です。
交際中にこれが出ている人は、結婚後に悪化します。現場で何度も見ました。逃げ場のない家の中で、同じことをやるので。
文字でも電話でも、相手の都合を確認しない人は、手段を変えても同じですよ。
