避けておいて、目で追ってくる
話しかけると、そっけない。
他の女性とは普通に笑ってる。
なのに、こっちが誰かと話していると、視線を感じる。
じゃあ何がしたいの
振り回されて、期待して、突き放されて、その繰り返し。
結婚相談所で、この手の男性を数え切れないほど担当してきました。プロフィールは悪くない、会えば感じもいい、それなのに交際に進まない人たち。
目的があるなら、行動が一貫する
考えてみてほしい。
何かを達成したい人間の行動は、方向が揃います。付き合いたいなら近づく。諦めたいなら離れる。
好き避けの男性は、近づいたり離れたりを繰り返す。
これは目的地があって迷っているんじゃなく、目的地を設定していない状態なんですよ。
彼らが管理しているのは、関係の進展じゃない。自分の心拍数のほう。
苦しくなったら離れる。離れて寂しくなったら、視線だけ送る。
その調整をひたすら繰り返してる。
聞き取りで出てきた、三つの本音
面談で本人たちが実際に言った言葉を並べます。
今のままがいちばん安全、という本音
いちばん多かったのがこれ。
四十代の男性会員が、面談で言いました。
今の距離なら、嫌われていないことだけは確定してるので。
これ、聞いた瞬間に私は絶句しました。
彼は関係を進めたいんじゃない。現状を保存したかった。
告白すれば、嫌われる可能性が生まれる。今のままなら、少なくとも中立でいられる。
つまり避けている行動は、関係を守るための行動だったんです。
本人の中では、ちゃんと筋が通ってる。
好きだと認めたくない、という本音
二番目に多かったのがこれ。
自分の感情を、自分で認めていない人。
三十代の男性会員に、あの人のこと好きですよねと聞いたことがあります。
彼の返事はこうでした。
いや、そういうんじゃなくて、なんか気になるだけです。
気になるだけ。この言い方で何ヶ月も過ごしてた。
好きだと認めた瞬間に、行動する義務が発生するから認めないんですよ。認めなければ、何もしなくていい。
逃げ道を残すために、自分の感情に鍵をかけてる。
相手の反応が怖い、という本音
三つ目。これは分かりやすい。
過去に強く拒絶された経験がある人。
学生時代の失敗を、四十代になっても引きずっている男性会員がいました。
好意を示した結果、周囲に広められて笑い者になった経験。
それ以来、絶対に先に好きだと言わないと決めていた。
彼の避け方は特徴的でした。相手が近づくと、必ず一歩下がる。物理的に。
守ってるんですよ、二十年前の自分を。
じゃあ、放っておけば動くのか
八割は、何もしないまま終わる
私が担当した好き避けタイプの男性会員で、自分から動いた人は二割いませんでした。
残りは、そのまま時間切れ。
相手が別の男性と交際に入る、あるいは相談所を退会する。それで終わり。
そして終わったあとに、彼らは決まって同じことを言います。
やっぱり言えばよかった。
何十回聞いたか分かりません。毎回、同じ台詞。
待つ側が失うもの
待っている女性側の話もしないと不公平です。
好き避け男性を待ち続けた女性会員を、何人も見てきました。
共通していたのは、待っている期間中、他の男性が視界から消えることでした。
脈があるかもしれない相手が一人いると、他の申し込みを断るようになる。
その期間が半年、一年と伸びる。
婚活において、この時間の損失は取り返しがつきません。特に三十代後半以降は。
だから私は、はっきり言うようにしていました。
その人を待つなら、期限を決めてください、と。
動かす方法は、あるにはある
好意を返すと、逃げる
まず、やってはいけないほうから。
好き避けされていると気づいて、こちらから積極的に近づく。
これは高確率で失敗します。
彼らが避けているのは、あなたじゃなく決断のほうだから。近づかれると、決断の時期が早まる。
早まると、逃げます。
実際、女性会員が距離を詰めた結果、男性が交際を辞退した例を何度も見ました。
自分から好きだと言えない人に、好意をぶつけると壊れる。
効いたのは、期限を見せることだけ
唯一、再現性があった方法を書きます。
自分がいなくなる可能性を、静かに提示すること。
脅すんじゃないですよ。事実として置くだけ。
来月から別の人とお見合いを再開する。
そろそろ、この地域を離れるかもしれない。
彼らを動かすのは好意じゃなく、失う実感なんです。
現状が保存できないと分かった瞬間に、初めて計算が始まる。
これで動いた男性会員、実際にいました。三日で告白してきた人もいる(笑)。
ただし、これで動かない人もいます。そして動かなかったなら、それが答えです。
私が担当した、いちばん長い好き避け
二年間、同じ女性を目で追った男性
忘れられない会員さんがいます。
四十代前半の男性。相談所のパーティーで知り合った女性を、二年間気にし続けていました。
毎回そのパーティーに参加する。彼女がいるかどうか確認する。話しかけない。
私は何度も言いました。申し込んでくださいと。
彼の返事はいつも同じ。もう少し様子を見ます、でした。
二年後、彼女は成婚退会しました。
その報告を彼にしたとき、彼は何も言いませんでした。ただ、そうですかとだけ。
面談室の空気が、しんと重くなったのを覚えてる。
その後、彼が変わった
話には続きがあります。
彼はその三ヶ月後、別の女性に自分から申し込みました。相談所に入って初めての、自分からの申し込み。
そして半年後に成婚しました。
成婚報告のときに言われた言葉が、今でも刺さってます。
失ってからじゃないと動けない人間なんですよ、僕は。
これが好き避け男性の正体だと思ってます。
彼らは失うまで、失うことを想像できないんです。
