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好きな人を妄想する男性心理とは?毎晩の妄想が恋を止める理由

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目次

夜10時、彼の頭の中で上映が始まる

疲れた夜ほど、妄想は甘口になる

仕事で消耗しきった夜。
彼は布団の中で、同じ部署の彼女と出かける場面を思い浮かべる。
カフェで向かい合い、彼女が笑っている。
映画館の暗がりで、彼女が自分の肩に頭を預けてくる。
それだけで、張りつめていた気持ちがほどけていくんだとか。

現実の二人は、まだ友達の域を出ていない。
なのに頭の中では、もう何度もデートを重ねている。
仕事で失敗した日も、その妄想をすれば気が軽くなるらしい。

聞いていて、私は真っ先にこう思った。
恋というより、入浴剤だな、と。
くたびれた体を湯船に沈めるように、彼女の笑顔に浸かっている。
彼女は片想いの相手であると同時に、彼の回復薬にもなっているわけ。
(さすがに本人には言えなかったけど)

名前を呼ばれた一瞬を、夜通し巻き戻す

ある日、彼女が少しだけ優しい言葉をかけてくれた。
その夜、彼は同じ場面を頭の中で再生し続けた。
彼女が自分の名前を呼んで、笑ったところ。
そこだけを、ぐるぐると。

妄想の中の彼女は、彼を特別だと思ってくれている。
現実では、ただの同僚なのに。
淡い幸福感を抱えたまま、眠りに落ちていく。

好きな曲を録音したカセットを、すり減るまで聴いた世代としては、わかりすぎて胸が痛い。
人は、気に入った数秒にいつまでもしがみつく生き物なのよ。

他の男と話す彼女を、夜のうちに取り返す

彼女が別の男性と楽しそうに話しているのを見た日。
その夜の妄想は、いつもと色が違ったそうです。
もし自分がもっと積極的だったら。
彼女がこっちを向いて笑いかけてくれる場面を、頭の中で繰り返し組み立て直す。

彼女が落ち込んでいるのを見かけた日も、似たことが起きる。
もし自分が隣にいたら。
彼女が甘えてきて、やがて笑顔を見せてくれる。
頼られている自分を想像しては、ひそかに頬をゆるめている。

昼間に取りこぼしたものを、夜のうちに回収している。
悔しさの穴埋めですね。
試合に負けた日の夜、布団の中で逆転ホームランを打つ野球少年とやっていることは同じ。

妄想の主語がいつも彼女、という致命的な問題

動いているのは、いつだって彼女のほう

ここまで聞いて、私はある違和感に気づいた。
彼の妄想を、もう一度並べ直してみる。
彼女が笑う。名前を呼ぶ。
腕を掴み、肩に頭を預け、甘えて、頼って、手を握ってくる。

じゃあ、彼は何をしているのか。
隣にいる。
それで終わり…。

誘ってもいない。
告白もしていない。
自分の頭の中という、絶対に失敗しない場所でさえ、彼は待っているんです。
彼女のほうから来てくれるのを。

嫌われるのを承知で言い切ります。
好きな人の妄想ばかりしている男は、選ばれたいだけで、選びにいく気がない。
少なくとも、妄想の中ではそう。

頭の中ではもう結婚していた男性会員

相談所にいた頃の、忘れられない男性会員の話。
お見合い相手にひと目惚れして、交際に進んだ人だった。
三回目のデートのあと、面談で彼が照れながら打ち明けた。

「子どもの名前、もう決めてるんです」

私は吹き出した。
アドバイザー失格です、ほんとに。
(今でもあの時の彼の顔が浮かぶと、胃のあたりが重くなる)

聞けば、頭の中ではプロポーズも新婚旅行も済ませていたというから驚く。
ところが現実では、三回のデートで一度も、次の約束を自分から切り出していなかった。
女性から届いた交際終了の理由は、何を考えているのかわからない、でした。

頭の中は彼女でいっぱいなのに、外には一滴も漏れていない。
妄想が濃い男ほど、現実の彼女の目には薄く映る。
なんとも皮肉な話でしょう。

朝7時の反省会と、昼の職場で起きていること

都合のいい解釈だ、と言い聞かせる朝

夜にあれだけ膨らんだ妄想も、朝になるとぺしゃんこ。
ただの気のせいだ。
自分に都合のいい解釈だ。
彼はそう言い聞かせて、平熱に戻るという。
その瞬間が、ちょっと寂しいんだって。

この朝の反省会、実はかなりまともなんです。
妄想と現実を混同しない理性が、ちゃんと働いている証拠だから。
困るのは、毎朝セーブデータを消していること。
夜に貯めたはずの勇気を、朝の時点でゼロに戻している。
これじゃ何日経っても、レベルはひとつも上がりません。

本人の前で、言葉が出てこなくなる理由

昼間、職場で本物の彼女に会う。
緊張して、思うように話せない。
頭の中ではあんなに自然に隣を歩けたのに。
そのギャップに毎回へこむのだと、彼は苦笑いしていた。

理由は単純だと、私は見ている。
妄想の中の彼女は、彼の期待どおりに動いてくれる。
現実の彼女は、そうはいかない。
笑ってくれないかもしれないし、名前を呼ばない日だってある。
腕を掴んでくることなんて、まずない。
完璧な台本を握りしめた役者ほど、アドリブの舞台で固まるものです。

女性の読者に、ひとつ伝えておきたい。
職場で妙にぎこちないのに、あなたの何気ない一言をやけに覚えている男性がいたら。
その人は、頭の中ですでにあなたと出かけているかもしれない。
覚えているのは、寝る前にその言葉を噛みしめ直しているから。
無口なのは、台本どおりに進まない現実が怖いから。

妄想を、恋の稽古場に変えればいい

主語を自分に入れ替える

妄想をやめろ、とは言わない。
どうせやめられないし。
変えるのは一か所だけ。
主語を、彼女から自分にする。

彼女が誘ってくれる場面じゃなく、自分が今度ご飯どうですかと声をかける場面。
彼女が手を握ってくれる場面じゃなく、帰り道で自分から隣に並ぶ場面。
断られる場面も、ちゃんと用意しておく。
それでも翌日には普通に挨拶できる自分まで、頭の中で通しておくこと。

相談所時代、この話をした男性会員がいた。
彼は半信半疑のまま、寝る前に自分が誘い文句を口にする場面ばかり思い描いたそう。
本番では噛んだ。
それも派手に!
なのに相手の女性は笑って、いいですよ、と返してくれたという。
その後どうなったかは、ここでは伏せておく(笑)

夫を妄想していた頃の、恥ずかしい答え合わせ

私にも、似たような夜があった。
付き合う前、妄想の中の夫は、夜景の見えるレストランで私を口説いていた。
私はといえば、口説かれるのを待っているだけ。
主語はやっぱり、相手のほう。

現実の初デートは、駅前の牛丼屋。
誘ったのは、しびれを切らした私だった。
カウンターで、夫は無言のまま紅しょうがを山盛りにした。
まさかでしょ、と心の中で叫んだのを覚えている。

でもね、あの紅しょうがの山が、いまでは夫のいちばん好きなところ。
妄想の中の彼は、あんな変わった癖を持っていなかった。
現実の相手は、妄想より予想外で、そのぶん面白い。
それを知るには、自分から牛丼屋に誘うしかなかったのよね。

好きな人を妄想する男性心理は、恋の待合室

呼ばれるのを待つうちに、順番は過ぎていく

妄想は、恋の手前にある待合室みたいなもの。
座っているぶんには快適で、誰にも傷つけられない。
けれど名前を呼ばれるのを待つだけでは、いつまでたっても中には入れない。
そうこうするうちに、彼女のほうが別の誰かに呼ばれて出ていくこともある。

話の終わりに、彼はこう漏らした。
妄想とのギャップで落ち込むのが、正直しんどい。
しんどくて当たり前。
主語が彼女のままの妄想は、毎晩、何もしていない自分の姿を見せつけてくるんだから。

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