言わないけど、滲み出ている人がいる
自分からは何も言わない。ブランドを見せびらかすわけでもない、高飛車な態度を取るわけでもない。でも何かが違う。何がとは言えないけど、どこか育ちがいい感じがする。後から聞いたら、実はかなりのお嬢様だった、ということがある。
結婚相談所でアドバイザーをやってきて、実はお嬢様だったという女性会員に何人も会ってきた。本人が話さなくても、会話の中や、細かい仕草の中に、育ちが滲み出る瞬間があった。
今日はその話。お嬢様が自分でアピールするわけじゃない、気づいたら伝わっている、その特徴を書いていく。
お嬢様という言葉
お嬢様、という言葉が指す範囲は広い。超資産家の令嬢から、ごく普通の裕福な家庭の娘まで、使われ方は様々だ。今回使うお嬢様の意味は、経済的に恵まれた環境で育ち、一定の教育と文化的な背景を持って成長した女性、というくらいの定義にしておく。お金の多さの話より、育ちの中で身についたものの話をしていく。
実はお嬢様な女性の特徴、言動に出るもの
お金の話を自分からしない
実はお嬢様な女性は、お金の話を自分からしない。値段を気にした発言をしない、安さへの言及がない、でも高さへの言及も特にない。お金がある、ということが当たり前すぎて、話題として出てこない。
逆に、お金のことを頻繁に話す人は、お金との距離感が近すぎるか遠すぎるかのどちらかだ。育ちが良い人ほど、お金の話への感度が独特になっていることがある。
相談所でのお見合いの場で、食事の値段について一切言及しない女性がいた。高い店でも安い店でも、値段への反応が全くなかった。後から聞いたら、かなりの資産家の家庭の出身だった。値段という概念が、選択の基準に入っていなかった。
困ったときに取り乱さない
予期しない出来事が起きたとき、実はお嬢様な女性は取り乱さない。電車が遅延する、予約が入っていなかった、雨が急に降ってくる。こういうときの対処の仕方に、育ちが出る。
取り乱さないのは、余裕があるからだ。困った状況を経験したことがある、または人に任せてきた経験が長い、どちらにせよ、突発的な状況への耐性がある。パニックにならずに、次の手を考える。この冷静さが、育ちとして滲み出る。
31歳の女性会員、友香さんはお見合いで訪れたレストランが臨時休業だったとき、あら、じゃあどうしましょうか、と涼しい顔で言っていたと男性側から聞いた。動揺の気配がなかった、と。その冷静さが印象に残ったと言っていた。後から友香さんの背景を知って、なるほどと思った。
謝り方と頼み方が丁寧すぎるほど丁寧だ
実はお嬢様な女性は、謝り方と頼み方が独特に丁寧なことが多い。申し訳ありません、恐れ入ります、お手数をおかけします。こういう言葉が自然に出てくる。礼儀を教えられてきた環境の産物だ。
でも丁寧すぎて、逆に距離を感じさせることもある。友人との会話でも丁寧語が出てくる、感情的な場面でも言葉が整っている。これが、どこか近づきにくい雰囲気として受け取られることがある。
本人は自然にやっているだけだ。でも周囲からは、かしこまっている、壁がある、と感じられることがある。
サービスへの対応が当たり前すぎるほど当たり前になっている
レストランでの注文の仕方、ホテルのフロントへの対応、タクシーの乗り降り。こういう場面での振る舞いに、育ちが出やすい。
実はお嬢様な女性は、サービスを受けることに慣れている。だから緊張しない、萎縮しない、でも横柄でもない。自然体でサービスを受けられる。この自然体が、育ちとして伝わる。
初めて高級レストランに来た人は、メニューの読み方から緊張する場合がある。でも慣れている人は、普通の食事と同じ感覚でいられる。その差が、一緒にいる相手に伝わる。
実はお嬢様な女性の特徴、価値観に出るもの
時間とエネルギーを、お金で解決することへの抵抗がない
タクシーを使うことへの躊躇がない、少し高くても便利な方を選ぶ、面倒なことはサービスに頼む。時間とエネルギーをお金で買うことへの抵抗がない感覚が、育ちとして出てくることがある。
これは浪費とは違う。効率への意識から来ていることが多い。お金を使うことへの罪悪感が薄い、という感覚が自然に行動に出てくる。
比較購買をしない
同じものをより安く買うために複数の店を回る、セールの情報を収集する、少しの差額のために手間をかける。こういう行動への関心が薄い場合がある。これが出ると、相手の男性が戸惑うことがある。節約の意識がない、金銭感覚が合わないのかもしれない、という不安が出てくる。でも本人はわざと節約しないわけじゃない。そういう発想が育ちの中で出てこなかっただけだ。
友香さんとの交際が進む中で、男性側から金銭感覚の話が出てきた。高い方を選ぶことへの迷いがなさすぎる、という話だった。友香さんは悪意があったわけじゃない。ただ、価格を比較するという発想が薄かっただけだ。育ちの違いが、価値観の違いとして出てきていた。
不満を直接的に言わない
実はお嬢様な女性は、不満を直接的に言わないことが多い。あからさまに文句を言う、声を荒げる、感情を爆発させる。こういうことへの抵抗感が強い。
でも不満がないわけじゃない。言わないだけで、感じている。この言わないという選択が、周囲には不満がない人、またはわかりにくい人、という印象を与えることがある。
言わないでいるうちに積み重なって、ある日静かに去っていく。これがお嬢様タイプの女性の別れ方として出やすいパターンだ。感情的な別れ方より、静かに、でも確実に終わりにする。
実はお嬢様な女性の、恋愛での特徴
経済力への要求が高いわけじゃない、でも生活水準への感覚が違う
お嬢様だから高収入の男性しか見ない、というわけじゃない。でも生活水準への感覚が、普通と違う場合がある。
住む場所へのこだわり、食事の質への感覚、旅行の基準。これらが、育った環境で形成されている。本人は特別なことを求めているつもりはない。でも相手側から見ると、基準が高いと感じることがある。
この感覚のズレが、関係に影響することがある。相手が合わせようとして消耗する場合もあれば、二人でちょうどいい着地点を見つけられる場合もある。
甘え方が独特だ
実はお嬢様な女性の甘え方は、ストレートじゃないことが多い。直接的に甘えるより、さりげなく状況を作って、相手が動きやすくする。会いたいと直接言うより、なんとなく寂しそうな空気を出す。してほしいことを直接言うより、それを必要としている状況を作る。
小さいころから、直接要求するより、周囲が動いてくれる環境にいたことが影響している場合がある。欲しいものを言わなくても与えられてきた経験が、甘え方の形に出てくる。
これが伝わる相手には伝わる。でも察するのが苦手な相手には、何を求めているかわからない、という状態になる。
家庭への理想が明確にある
実はお嬢様な女性は、家庭のあり方への理想が比較的明確にある場合が多い。自分が育った家庭が基準になっている。その基準が、当たり前として内側に入っている。
食事は一緒にとる、家の整え方への感覚、来客への対応の仕方。これらへのこだわりが、育った環境の再現として出てくることがある。
相談所で友香さんが結婚後の生活について話したとき、当然のように家での食事の話が出てきた。毎日外食という発想がなかった。家庭のあり方への理想が、すでに明確にあった。
実はお嬢様な女性と付き合うときの話
育ちを指摘しない方がいい
育ちがいいね、お嬢様っぽいね、という指摘を、本人が嫌がる場合がある。自分では普通だと思っているから、そう言われることへの違和感がある。または、育ちで判断されることへの抵抗感がある。
育ちを指摘することは、相手を育ちのカテゴリーに入れることでもある。そのカテゴリーへの反応は人それぞれだけど、気持ちよくない場合も多い。
価値観のズレを早めに話し合う
生活水準への感覚、お金の使い方、家庭のあり方。こういった価値観のズレは、早めに話し合った方がいい。後になるほど、修正が難しくなる。
友香さんと交際相手の男性は、金銭感覚の話を正直にし合ったことで、関係が一段深まったと後から二人が話してくれた。ズレを知った上で、どうするかを決める。その話し合いができる関係かどうかが、育ちの違いを乗り越えられるかどうかを決める。
育ちの違いは問題じゃない。育ちの違いを話し合えないことが問題になる。
普通の感覚を押しつけない
もっと節約すべき、そんなに高い店に行かなくていい、という感覚を押しつけると、相手は窮屈になっていく。育ちの中で形成された感覚は、簡単には変わらない。変えようとすることより、違いを理解することの方が関係のためになる。
育ちが違う二人が長続きしているのを、相談所で何組か見てきた。共通していたのは、お互いの育ちの違いを否定せずに、どう折り合いをつけるかを二人で考えていたことだ。違いを問題にするより、違いの中で一緒にいる形を作ることに使っていた。
実はお嬢様な女性が持つ、言わなくても滲み出る育ちの良さは、作れるものじゃない。でもその育ちと、相手の育ちが違っていても、向き合い方次第で関係は十分に成立する。友香さんと交際相手が成婚退会していったのを見ながら、そう確信した。
