昨日どこ行ってたの、と聞かれて、飲み会だよと答える。
そこで終わればいい。終わらないんだ、これが。
誰と行ったの?
その瞬間、空気の温度が二度くらい下がるのを感じたことがある人。はい、こんばんは。
声のトーンは軽い。表情も笑ってる。なのに、なぜか背筋がヒヤッとする。
なんで急にそんなこと聞くんだよ、と思いながら、頭の中では必死にメンバーを思い出してる。あれ、女いたっけ。いたな。言うべきか。
そのコンマ数秒の沈黙が、実は一番の失点だったりします。
嫉妬している、という解釈でほぼ全員が止まっている
独占欲です、嫉妬です、あなたを束縛したいんです、と。
まあ、外れてはいない。でも粗い。粗すぎる。
私は元・大手結婚相談所で女性会員さんの口から、直接この質問の裏側を数え切れないほど聞いてきました。断言しますけど、嫉妬が動機の人は半分もいません。
本当に嫉妬しているとき、女性はこの聞き方をしない
ここ、意外だと思う人が多いところ。
本気で疑ってる女性は、誰と行ったの、なんて開かれた質問をしません。
だって答えを委ねてるでしょ、この聞き方。相手に編集権を渡してる。
本気の疑いは、もっと具体的に来ます。〇〇さんも来てた?とか、女の子いた?とか。もう答えを持ってるんですよ、あっちは。
確認しにきてる。裁判みたいなもんです。
逆に、誰と行ったの、というふわっとした聞き方は、まだ何も掴んでいない証拠。
じゃあ何を聞いているのか
女性は、人間関係の位置関係で相手を理解する
面談をしていて、はっきり気づいたことがあります。
男性会員さんに趣味を聞くと、内容を答える。釣りです、映画です、と。
女性会員さんに同じことを聞くと、誰とやるかを答える人が多いんです。友達とよく行くカフェ巡りで、とか。会社の同期と月一で、とか。
活動が、人間関係とセットで記憶されている。
だから彼女があなたに誰と行ったのと聞くとき、それは行動の裏取りじゃなくて、あなたという人間の地図を描こうとしてる作業なんですよ。
この人の周りには誰がいて、どういう関係で、どのくらいの頻度で会うのか。
その地図が埋まっていくほど、安心する。
逆に空白が多いと、そわそわする。
知らない名前が出ることを、彼女は実は望んでいる
これ、多くの男性が真逆に理解してる。
新しい名前を出したら怒られると思ってるでしょ。だから、会社の人、とか、友達、とかでぼかす。
その処理が最悪なんです。
名前が出ないということは、彼女の地図に空白地帯が生まれるということ。空白は不安を呼ぶ。
高橋っていう大学の同期でさ、あいつ昔から酒癖悪くて、と話せば、その瞬間に高橋は地図に載ります。載ったものは怖くない。
私の夫は、この点だけは無自覚に上手かった。会う人みんな実況中継してくるので、私は会ったこともない彼の同僚のあだ名を覚えてました。
おかげで一度も心配したことがない。うるさいなとは思ってたけど(笑)
付き合ってない相手に聞く場合は、意味が変わる
関係性で答えが全然違うので、分けて書きます。
まだ何でもない女性が聞いてきたら、それは空席の確認
デート三回目くらいの女性が、休日誰と過ごしてるの、と聞いてくる。
これは競合調査です。ライバルがいるかどうか。
ただし、それだけじゃない。あなたが女性と自然に遊べる人なのかどうかも見てます。
女友達が一人もいませんという男性、実は警戒されるんですよ。相談所でもそうでした。
女性慣れしていないことを誠実さの証拠だと思ってる男性会員さんが多かったけど、女性側の反応は違った。地雷かもしれないという受け取られ方をする。
バランスなんですよね。全部が女性の名前だと引かれる。全部が男性だと不自然がられる。
面倒くさい。でも事実です。
付き合ってからの質問は、寂しさの言い換えであることが多い
交際中の彼女が聞いてくる場合、私はこう解釈しています。
私も行きたかった、が言えないから、誰と行ったのになる。
これ、当たってると思う。かなりの確率で。
だから正しい返しは、誰と行ったかの説明を丁寧にすることじゃありません。
今度一緒に行こう、の一言。それだけで質問の九割が消滅します。
情報を求めてるように見えて、招待を求めてる。
やらかす男性の共通点は、たった一つ
こじれる人の特徴ははっきりしていました。
質問に答える前に、言い訳を先に置く
これです。これに尽きる。
別にやましいことないけど、とか、たまたま人数合わせで、とか。
聞いてないんですよ、彼女は。まだ何も聞いてない。
先に防御した時点で、そこに何かがあると自白してるようなものです。
面談で男性会員さんの模擬会話をやったとき、この癖を持つ人がかなりいました。癖なので本人は気づいてない。
指摘すると、えっ今そんなこと言ってました?って顔をする。言ってました。
逆質問で返すのは、火に油
なんでそんなこと聞くの、という返し。
最悪です。ドカンといきます。
彼女からすれば、質問を拒否されたわけで。地図が埋まらないどころか、隠されたと解釈される。
一度これをやってしまうと、次から彼女は聞かなくなります。聞かずに、自分で調べるようになる。
そっちのほうが怖いでしょ。
私自身がこの質問をして、盛大に空回りした話
偉そうに解説してますけど、私もやってました。
付き合いはじめの頃、彼が日曜に出かけたと聞いて、誰と行ったのと聞いた。
返ってきたのが、友達。
それだけ。
私はその晩、ずーっと考えてました。友達って誰。なんで名前を言わないの。言えない相手なの。
翌日また聞いた。しつこい女だと思われるとわかってて聞いた。
そしたら、中学の同級生の男三人だと。ただ言い忘れてただけだと。
はぁ…とため息が出ました。自分の一晩を返してほしい。
あのときの私、本当にみっともなかった。でも聞かずにいられなかったんだよなあ
情報の欠落は、勝手に物語を生みます。しかも悪い方向に。
だから男性のみなさん、面倒でも固有名詞を出してください。それだけで平和が保たれます。
この質問が来なくなったときのほうが、危ない
誰と行ったのと聞かれることを、うっとうしいと思ってる男性へ。
その質問、いつか来なくなりますよ。
そして来なくなったときは、たいてい手遅れです。
興味がなくなった相手の交友関係を知りたいと思う人間はいません。地図を描く必要がないので。
相談所には、離婚を経験した女性会員さんもたくさん来ていました。前の結婚について聞くと、こう言う人が何人もいたんです。
途中から、誰といるか気にならなくなって。
そこから終わりまでは早かった、と。
質問は関心の残高です。残っているうちは、まだ取り返しがつく。
だから今日、誰と行ったのと聞かれたら、少し面倒でも全部話してほしい。
どうでもいい同僚の話でも、彼女は聞きたがっているので。
