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友達いない50代独身女性

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同年代の女たちは、グループLINEとランチ会の写真の中にいる。自分のスマホは、しんとしてる。並ぶのは職場と病院と通販の通知だけ。書類の緊急連絡先の欄で手が止まった経験まで、あるかもしれない。
結婚相談所のアドバイザーとして、50代の入会面談を七年間さばいてきた。あの席で聞いた本音と、その後の顛末を見てきた立場からはっきり書く。

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友達は人格の成績表じゃなく、所属のおまけ

大人の女の友達って、どこから来てるか。職場、ママ友、PTA、夫の付き合い、子どもの部活。ほとんどが、所属という装置から自動で配布されてる。
つまり、友達が多い女性は人格が優れてるわけじゃなく、配布装置をいくつも通過しただけ。結婚、出産、学校行事。あの装置を通らないコースを歩けば、おまけは配られない。ただそれだけの話なの。
学生時代の友達が消えたのも同じ理屈。あれは友情というより、時間割の同期だった。毎日同じ教室に集まるという頻度の装置が止まれば、たいてい一緒に止まる。
なのに世間の記事ときたら、50代で友達がいない女性の特徴、なんて見出しで性格を並べ立てる。プライドが高い、ネガティブ、自分から動かない。違うんだよ。装置の有無を、人格の優劣に翻訳するなと言いたい。

友達が多いはずの私の、連絡先の中身

恥を晒すと、私は世間的には友達が多い側に見える。既婚で、子どもがいて、ママ友のグループLINEがいくつも動いてる。
ある夜、ふと数えてみた。この中で、私個人を選んで付き合ってくれてる人が何人いるのか。ママ友は子ども経由の縁で、卒業したら高確率で蒸発する。元同僚とは、当時の上司の悪口以外の話題が育ってない(笑)。
個人として残ったのは…3人。会うのは年に1回あるかどうか。
(賑やかなグループ写真の中で、これ)
ランチ会の写真の中にも、孤独はちゃんといる。むしろ群れの中の孤独は、誰にも気づいてもらえないぶん、こじれやすい。50代独身のあなたと私の距離は、外から見えるほど開いてない。ここだけは、どうしても伝えたかった。

入会理由の本音で、密かに多かったもの

緊急連絡先が書けなかった夜

50代女性の入会面談で、忘れられない人がいる。56歳、経理一筋の、物腰の柔らかい方だった。
動機を尋ねたら、静かな声でこう言った。手術の書類の、緊急連絡先で手が止まったんです。書ける名前が、ひとつもなくて…。その夜に資料請求しました。恋がしたいというより、あの欄に書ける人が欲しいんだと思います。
私は、事務の顔を保つので精一杯だった。
あの空欄こそ、友達がいない50代の実害の正体だと思ってる。寂しさという感情の手前に、書類という現実の段取りが転がってる。そして段取りの問題には、段取りの解がある。

介護が終わった日、友達も終わってた

もう一人。58歳の女性は、親の介護に6年使った人だった。誘いを断り続けるうちに誘い自体が来なくなり、看取りを終えて顔を上げたら、スマホに残ってたのは病院と役所とケアマネさんの番号だけ。
ぽつぽつと話す彼女に、それはあなたの性格の問題じゃないですよ、と返したら、堰を切ったように泣かれた(泣)。
友達が消えたのは、彼女が冷たいからでも暗いからでもなく、介護という構造が6年分の頻度を奪ったから。あなたにも、似た数年があったのかもしれない。仕事、親、病気。それは反省の材料じゃなく、ただの履歴。

友達という十徳ナイフを、探すのをやめる

ここから段取りの話。友達がいない問題が重く見えるのは、友達という一本の十徳ナイフで全部を片づけようとするからなんだ。
分解してみる。必要なのは、緊急連絡先の機能、日常の雑談の機能、たまに一緒に食べる機能、弱った時に頼る機能。この四つ、ぜんぶ調達先が違っていい。
緊急連絡先は、友達じゃなくても埋まる。身元保証や緊急連絡先を引き受ける民間のサービスがあるし、自治体の窓口や士業に相談する道もある。お金で買える安心は、買っていい!あの空欄のために友情を急ごしらえするほうが、よっぽど不健全でしょ。
雑談と共飯は、名前も知らない顔見知りで案外足りる。毎週行く喫茶店、ジムの同じ時間帯の人、推し活の現場。浅い知り合いが日々の機嫌を支える、という研究まである世界。
本物の親密さが要るのは、弱った時の機能だけ。そしてそれは、1人いれば足りる。100人じゃなく、1人。ハードルが、すとんと落ちる音がしたはず。
ついでにひとつ。眠れないほどのしんどさが続いてるなら、保健センターや相談窓口で人と話すのも立派な調達のうち。あれは敗北じゃなく、雑談機能の外注だから。

50代からの友達は、作らずに発酵させる

趣味のサークルに入りましょう、と書いてある記事を見るたび、ため息が出る。50代で初対面のグループへ飛び込む心理コストを、書いた人は分かってない。グループには古参と序列があって、新入りの50代は値踏みされて消耗するのよ。
現実的な作り方は、もっと地味。友情は告白からは始まらない。頻度から発酵する。
同じ店に、同じ曜日の同じ時間に通う。3ヶ月で店の人と口をきくようになって、半年で隣の常連と天気の話が始まる。ぬか床と同じで、特別な才能は何も要らない。毎日ちょっと混ぜるだけ。
実家から持ってきたぬか床を三回死なせた私が言うのもなんだけど、人間関係のほうの床は混ぜる回数が週一でいいから楽
狙うのは群れじゃなく、一対一。輪に入る必要はない。また同じ時間にいますね、の一言が出せたら、仕込みはもう始まってる。
例の56歳さんの後日談を置いておく。彼女、同じ頃に入会してた59歳の男性とお見合いをした。第一声で男性が、実は私も緊急連絡先に書く名前がなくて入会したんです、と打ち明けたらしい。私もです、と彼女が返して、二人で吹き出したって。
一年後、二人は成婚退会した。今はお互いの書類の空欄を、埋め合う仲。
念のため。結婚は解のひとつであって、唯一解じゃない。四つの機能は、独身のままでも全部埋まる。ただ、56歳からでも遅くなかったという一点だけ、ポケットに入れて帰ってほしい。

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この記事を書いた人

元・大手結婚相談所でアドバイザーとして7年間勤務。

結婚・出産・子育てを経験した現在は、現場を離れていますが、これまで培ってきた恋愛・デート・婚活ノウハウを届けたいと思いブログを始めました。現場から離れた今だからこそ見える恋愛のバグと逆張りの勝ち方を教えます。

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