体重、すっぴん、昔の恋愛、人前でのバラし。彼の一言がグサッと刺さって、抗議したら、冗談じゃん、気にしすぎだって笑われた。
相談所でも、デリカシー事故でお見合いと交際が吹き飛ぶ場面の事故処理をやってきた。彼の正体と、泣くより効いた直し方と、見切るラインまで、ぜんぶ書いていくよ。
気にしすぎ?への答えは、もう出てる
彼の言い分はいつも同じ。そんなつもりじゃなかった、冗談のつもりだった。
つもり、はどうでもいいんだ。車で人を轢いておいて、轢いたつもりはなかったと言っても、折れた骨はくっつかない。悪気の有無は罪の重さを少し変えるだけで、無罪の証明にはならない。
デリカシーの判定権は、言った側じゃなく、刺された側にある。あなたが痛かったなら、それがもう答え。
ついでに冗談の定義も。両方が笑えて、初めて冗談。片方しか笑ってない発言は、笑いの形をした攻撃でしょ。気にしすぎという返しは、加害者が審判まで兼任しようとしてるだけ。
鈍感なんじゃない、あなたに経費をかけてないだけ
上司の前では、ちゃんと言葉を選べてる
思い出してみて。彼、取引先や上司にも、体型いじりをかますタイプ?
してないはず。してたら、とっくに会社に居場所がない。つまり空気を読む能力も、言葉を選ぶ装備も、ちゃんと持ってる。持ってるのに、あなたの前でだけ外す。工事現場を出た作業員がヘルメットを脱ぐみたいに、ここは安全地帯と判断した場所で、装備を下ろしてる。
彼の中で、デリカシーは経費なんだよね。失いたくない相手には払う。何を言っても失わないと査定した相手には、節約する。
世間はこれを、甘え、と美化する。素を出せてる証拠ですよ、なんて。素じゃない、手抜き!あなたへの査定額が上司より低い、という見積もりの話をしてるだけ。
全方位デリカシーゼロの天然型も、たまにいる
ただし例外もいる。職場でも友人にも親にも、誰に対しても等しくやらかす天然型。
こっちは本物の鈍感で、悪意は完全にゼロ。希少種だけど実在する。会員にもいた。お見合いのたびに全員へ同じ失言をして、全員から同じ理由で断られてた40代男性。再現性が高すぎて、憎めなさだけは満点だった(笑)。
見分け方は簡単。彼の職場での評判、店員さんへの態度、友達からのいじられ方。あなた以外にもやってるなら天然型、あなた限定なら節約型。
相談所で見た、デリカシー事故の現場
お見合いを壊す一言は、だいたい善意の顔
事故の実例を並べる。どれも本人は、褒めたつもり、和ませたつもり。
写真より実物のほうが全然いいですね、と開口一番。お互いもう若くないから焦りますよね、と頼んでない連帯。お料理されるんですか、よかった、母が厳しい人なので、と始まる謎の審査。
言った側の自己採点は、場を盛り上げた。受けた女性のフィードバックには、初対面で容姿を査定された、年齢を勝手に背負わされた、と、ずーんと重い言葉が並ぶ。あの紙を読む係、地味にきつかった(泣)。
善意の顔をした失言は、本人に自覚がないぶん、再発率が群を抜いて高い。
泣いて伝えても直らない。直したのは紙切れ一枚
7年やって、いちばん皮肉だった発見がここから。
交際中の女性が、涙ながらに、傷ついたと伝える。直らない。なぜか。彼の脳内でその夜は、彼女が感情的になった日、として保存されるから。発言の中身は、涙のインパクトに上書きされて消える。
ところが。交際終了の通知書に、デリカシーに欠ける発言があったため、と文字で載った瞬間、同じ男が青ざめて、次の交際から別人みたいに言葉を選び始める。この変わり身を、何人分も見届けてきた。
涙は素通りで、紙には震えるのか、認めたくないけど、結論はこう。デリカシーの欠如は、痛みでは直らない。損で直る。彼らに届くのは涙じゃなく、損害報告だった。
直し方は、その場で、短く、損害報告
だから家庭でのやり方も、そこへ寄せる。
泣かない。溜めない。後日まとめて蒸し返さない。言われたその瞬間に、笑顔を消して、短く事実だけ通告する。今の発言で、かなり冷めた。終わり。
説明や説教を足したくなるのを、ぐっとこらえるのがコツ。長くなった途端、彼の中でお説教タイムに分類されて、また中身が流れる。短いほど刺さる。
うちにも前科がある。産後、心身ともにぼろぼろの時期に、夫が一度だけ、お腹まだ戻らないんだね、とやった。カチンを通り越して、一瞬視界が白くなったよね。それでも泣かずに、その場で声を一段だけ落として言った。今の、一生覚えてるから。
夫の顔から、ひゅっと血の気が引いた。以来、体型の話題はわが家から絶滅してる。涙より低い声、長文より一行。効くのはこっち。
回数の線引きも決めておこう。同じ種類の発言が、通告のあとも3回続いたら、それは事故じゃなくて方針。彼はあなたの損害報告を読んだ上で、払わない選択をしてる。
それでも直らない彼と、別れの基準
弱ってる日に何を言うかが、彼の本体
ここから先は、結婚を視野に入れてる人向けの本音。
結婚生活って、弱ってる日の連続だった。つわりで吐いて、産後は満身創痍で、慢性の寝不足で、そのうち親の介護も来る。デート服のあなたに向けた言葉じゃなく、寝込んだ日のあなたへの一言こそ、結婚後の本編の予告。
熱を出した日に、夕飯どうすんの、と言える男。その台詞は産後、百倍の威力に育って返ってくる。
チェックは三つだけ。あなた限定の節約型か。損害報告の後も3回続いたか。あなたが弱ってる日に出たか。三つ揃ったら、デリカシーの問題というラベルはもう剥がしていい。中から出てくるのは敬意の不在で、それは直す対象じゃなく、離れる対象。
逆に、伸びる男の見分け方
希望も残しておきたい。
言葉選びが壊滅的なのに、指摘されたあと、スマホにこっそりメモを取ってた男性会員がいた。次のお見合いでは、たどたどしいながら地雷を全部避けて、その不器用さごと気に入られて成婚していった。打ち合わせ室で見たあのメモ画面、ちょっと感動したな。
