昨日ね、夢にあなたが出てきたの。
そう言われて、平静を装いながら内心ガッツポーズを決めたことがある人、正直に手を挙げてほしい。私は挙げます。逆の立場だったけど。
この一言、破壊力ありますよね。しかも直接的な好意ではないから、否定もしづらい。
あなたを想っている証拠、という説明でみんな納得している
潜在意識にあなたがいるからです。日中それだけ考えているということです。無意識の好意が漏れています。
どのサイトも似たようなことを言う。心理学の言葉をちょっと添えて、それっぽく。
たしかに間違ってはいません。夢に出るには、脳のどこかにその人の情報が置かれている必要があるので。
ただ、そこで止まってる記事ばかりなのが気になる。
問題は夢を見たことじゃなく、それを口に出したこと
ここ、みんな見落としてる。
夢は本人の意思じゃないでしょ。コントロールできない。だから夢に出た事実そのものには、たいした情報がない。
私だって嫌いだった上司の夢を見たことあります。三回くらい。あれは好意か?違うでしょ。ストレスです。
本当に読むべきなのは、彼女がそれをわざわざ報告してきたという行動のほう。
夢を見た人間の九割は、誰にも言わずに忘れます。
言った時点で、それは選択なんですよ。
七年間、婚活現場でこの台詞の裏側を聞いてきた
元・大手結婚相談所のアドバイザーで女性会員さんとの面談で、この話題は本当によく出ました。
女性側から相談されるんです。夢に出てきたって言っちゃったんですけど、引かれてないですかね、と。
つまり、言った本人も自覚してるんですよ。あれが普通の報告じゃないってことを。
ある女性が正直に打ち明けてくれたこと
三十代前半の会員さん。仮交際中の男性に対して、この台詞を使ったと。
どうして言ったんですかと聞いたら、しばらく黙ってから、こう言いました。
好きって言う勇気はないけど、意識してることは知ってほしくて。
それだ、と思いました。ぞわっとするくらい的確な自己分析。
夢というワードは、責任を回避したまま好意を届けられる唯一の乗り物なんです。
だって夢なんだから、私のせいじゃない。そう言い張れる。
告白の練習であり、観測気球でもある。
彼女はその後、成婚しました。相手は同じ人です。
でも同じ台詞で、まったく逆のケースもあった
ここが面白いところ。
別の会員さん。彼女は複数の男性に同じことを言っていました。悪気なく。
本人いわく、会話のネタが尽きたときに使いやすいから、と。
はぁ…と思いましたよ、正直。でも責められない。だってあの台詞、盛り上がるもん。相手が食いついてくれるもん。
つまり、場つなぎとして機能してしまう言葉でもあるということ。
好意の証拠だと信じきってる男性には、ちょっと残酷な話ですけど。
脈の有無は、夢の内容を語るかどうかで割れる
判別方法があります。私が現場で見つけた、けっこう使えるやつ。
内容をぼかす女性は、本気度が高い
逆じゃないの、と思ったでしょ。逆なんです。
夢の内容を細かく話せる場合、その夢はたいてい安全な内容です。一緒にラーメン食べてた、会社にいた、みたいな。
語れるということは、語っても恥ずかしくないということ。
一方、内容は覚えてないんだけど、とか、なんかよくわかんない夢、みたいにぼかす人。
覚えてないわけないんですよ。話しかけたのに覚えてないなんてことある?
言えないだけです。恥ずかしくて。
そこにいる彼が、現実よりずっと近い距離にいたから。
笑いながら言うか、目を逸らして言うか
対面で言われたなら、そのときの視線を思い出してほしい。
まっすぐ目を見て笑いながら言われたなら、それはネタ寄り。楽しい話題として提供されてる。
言った直後にスマホを触りだしたり、急に別の話に飛んだりした場合。あれは投げてから怖くなってるんです。
自分で言っといて動揺してる。かわいいでしょ。そういうのが本命です。
LINEなら、送ってきた時間帯がすべてを語る
朝送られてきた場合。起きた直後の勢いです。感情の生ものなので、鮮度は高い。
問題は夜です。しかも夢を見た日から数日経ってから送られてきたやつ。
これ、何日か抱えてたってことですよ。言うか言うまいか迷って、迷って、酒でも入ったタイミングで送信した。
時差があるほど、重い。私はそう見ています。
ここからが本題。男性側の返し方が壊滅的に下手
女性心理を知りたい人の本当の目的って、たぶんこれでしょ。どう返せばいいのか。
だからそっちを書きます。
どんな夢だったの、は最悪ではないが最善でもない
みんなこれを返す。八割がこれ。
悪くはないんです。会話は続くので。
ただ、この返しには決定的な欠陥があって。彼女に説明責任を全部押しつけてるんですよね。
勇気を出して球を投げた側に、さらに解説まで求めてる。しんどいですよ、あれ。
実際、どんな夢と聞かれて、覚えてないやと返して会話が終わったパターン、山ほど見てきました。
彼女が撤退したんです。怖くなって。
自分の話を混ぜて返すと、着地が急に楽になる
私が男性会員さんに教えていた返し方はこれ。
夢の内容を聞く前に、自分も見たことにする。
そんな偶然ある、俺も先週なんか出てきた気がする、とか。適当でいいんです。むしろ適当なほうがいい。
これをやると、彼女の告白が二人の偶然に変換されます。
一方的に好意を晒した状態から、お互いさまの状態へ。恥ずかしさが半分になる。
実際にこの返しで距離が縮まった会員さん、記憶にあるだけで四、五人います。
絶対にやってはいけないのが、深読みして黙ること
これが一番多い事故。
ええっ、それって、みたいな感じで固まってしまう男性。あるいはスタンプ一個で流す男性。
彼女の頭の中では、その沈黙が全部否定として処理されます。ズシンときます。
言ってしまえば、あの台詞は投げっぱなしにできない球なんですよ。受け取ったことだけは、必ず示さないといけない。
言い切りますけど、この台詞は好意の三合目くらい
夢に出てきたと言われた時点では、まだ何も確定していません。
好意はある。ゼロではない。でも山でいえば三合目。頂上まで距離がありすぎる。
にもかかわらず、ここで完全に舞い上がって告白まで一気に走る男性が多い。そして玉砕する。何回見たことか。
彼女が投げたのは球であって、契約書じゃないんです。
返球して、そこからまた別の球を投げて、何往復かして、ようやく四合目。
実際にあった、私自身のちょっと恥ずかしい話
学生の頃、好きだった人に言ったことがあります。夢に出てきたよ、と。
返ってきたのは、へー、という三文字。
あの瞬間の記憶、二十年近く経っても消えません。顔が熱くなって、なんでもないよ、って自分で打ち消して。
今思い出しても、うわーってなる。恥ずかしすぎ
だから断言できるんです。あの台詞を言う側は、めちゃくちゃ怖い思いをしてる。
本気なら本気なほど、怖い。
夢の話は、彼女が差し出した鍵の一本
彼女が本当に伝えたかったのは、夢を見たという事実じゃない。
あなたのことを、自分でも制御できない領域まで考えてしまっている。その事実を知られてもいいと判断した、ということ。
判断のほうが重いんですよ。夢よりずっと。
だから内容を詮索する必要なんてないし、脈があるかどうかを採点する必要もない。
なんとなく嬉しかった、とだけ返して、次に会う日の話に移ればいい。それで十分伝わりますよ。
