MENU

尻に敷く女の特徴より、その支配に合意があるかを見た方がいい

  • URLをコピーしました!

彼女に頭が上がらない。決定権は、だいたい彼女にある。傍から見たら、尻に敷かれてる、と言われるかもしれない。
それって、情けないことなんだろうか。それとも、これは普通のことなんだろうか。結婚相談所で7年、どちらが主導権を握ってるかで揺れる関係を、たくさん見てきた。

目次

尻に敷くという言葉が、間違った単位で測っている

尻に敷く、という表現は、決定権がどちらにあるか、という一点だけを見てる。でも、それは、関係の健全さを測るには不十分な単位なんだ。
外食のたびに彼女が店を決める。休日の予定は彼女が組む。お金の管理は彼女がする。これだけ聞くと、いかにも尻に敷かれてる構図に見える。でも、決定権が偏ってるという事実だけでは、その関係がうまくいってるか、消耗してるかは、まったく分からない。
測るべきは、支配の量じゃなくて、その支配に、両方の合意と、機能があるかどうか。合意があれば、それは支配じゃなくて、役割分担という契約。合意がなければ、それは、ただの支配。同じ、決定権が偏ってる状態でも、この二つは、まったく別の生き物なんだ。

同じ尻の敷き方に、二種類ある

合意なき支配型

一つ目。男性側が、意見を言うことを、諦めさせられていく型。
最初は些細なことから始まる。今日は何が食べたい?と聞かれても、何でもいいよ、と答え続ける。彼女の提案に、いつも合わせる。反対意見を出すと、不機嫌になられる、面倒なことになる、という経験を重ねるうちに、意見を出すこと自体をやめていく。
これは、彼が合意して決定権を渡してるんじゃなくて、疲れて放棄してる状態。表面上は穏やかに見えても、内側には、諦めが積もっていく。

役割分担型

二つ目。決定権が彼女に偏ってるけど、それは、二人で話し合って決めた配置、という型。
彼が、細かい決定を考えるのが苦手で、彼女が得意だから任せてる。彼はその代わり、別の領域で主導権を持ってる。あるいは、彼自身が、決めてくれる方が楽、と心から思ってて、それに彼女も納得してる。
外から見ると、一つ目とまったく同じ光景。彼女が決めて、彼が従う。でも、内側の温度がまるで違う。彼は、意見を言う機会を、奪われてるんじゃなくて、進んで手放してる。必要な時には、ちゃんと意見も言えるし、聞いてもらえる実感もある。

本当に危険なのは、口うるさい女じゃない

世間のイメージでは、尻に敷く女、というと、口うるさくて、命令口調で、強い女性を思い浮かべる。
でも、現場で本当に危険だと感じた尻の敷き方は、口うるさいタイプじゃなかった。むしろ、優しく、丁寧に、着実に、相手の決断の機会を奪っていくタイプ。
彼女は怒鳴らない。ただ、彼が何かを決めようとするたびに、それより、こっちの方がいいと思うよ、と穏やかに上書きする。彼は毎回、なるほど、と受け入れる。この繰り返しが、何年も続くと、彼の中で、意見を作る筋肉そのものが、萎縮していく。
筋肉は、使わないと衰える。決断という筋肉も、同じ。使う機会を奪われ続けた男性は、ある日、突然、自分が何をしたいのか分からなくなる。それは、尻に敷かれてるという自覚すらなく進行する、いちばん静かで、いちばん深刻なパターンなんだ。

相談所で見た、意見を言う筋肉が萎縮した男性

40代の男性会員がいた。長年の交際相手と別れて、婚活を始めたばかり。お見合いの席で、何を聞いても、どちらでも大丈夫です、が口癖だった。食事の好みも、休日の過ごし方も、将来の話も、全部、相手に委ねようとする。
女性側の反応は、優しい方ですね、から始まって、次第に、ちょっと物足りない、意思がないみたい、に変わっていった。彼自身、それを自覚してなかった。長年、決断を求められない生活に慣れきってて、自分の希望を言葉にする力が、本当に鈍っていた。
面談で、少しずつ、今日の面談、何か希望はありますか、と聞き続けた。最初は、何でも大丈夫です、が続いた。三回目くらいから、あの、実は、と小さな希望を言い始めた。
筋肉は、使えば戻る。彼は半年かけて、少しずつ自分の意見を口にできるようになって、最終的には、ちゃんと自分から希望を伝えられる状態で、次の交際に進んでいった。

舵を取る妻と、対等だった夫婦

対照的な夫婦の話も、置いておく。
成婚後もフォローしていた夫婦で、家計もスケジュールも、ほぼ全部、妻が管理してた。傍から見れば、完全に尻に敷かれてる夫、に見えたと思う。
でも、話を聞くと、全然違った。夫は、大きな決断や、仕事上の判断は、家庭にも持ち込んで、しっかり自分の意見を言う。ただ、日々の細かい段取りは、妻の方が得意で早いから、任せてる。船で言えば、彼女が舵を握って、彼がエンジンを担当してる、という感じ。どちらが偉いという話じゃなくて、役割が違うだけ。
夫に聞いたことがある。決められるの、楽じゃないですか、と。彼は笑って、楽というより、信頼してるんですよ、と言った。その一言に、二人の関係の質が、全部出てた。

尻に敷いてる自覚がある人へ

最後に、自分が尻に敷いてる側だと自覚のある女性へ。
決定権を持つこと自体は、悪いことじゃない。得意な人が担当するのは、合理的なことだから。ただ、時々、確認してほしいことがある。
彼が意見を言った時、それを本当に聞いているか。それとも、いつも自分の判断で上書きしてしまっているか。彼の、なるほど、が、納得の相槌か、諦めの相槌か。その違いを、見分ける努力を、続けてほしい。
彼が意見を言わなくなったなら、それは、彼が穏やかになったんじゃなくて、あなたが、彼の言葉を受け取る余地を、少しずつ塞いでしまった結果かもしれない。
尻に敷くかどうかより、大事な問いはこれだと思う。彼は今日、あなたに、何か意見を言えただろうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次