勇気を出して、気持ちを伝えた。返ってきたのは、少し考えさせて、だった。
はっきり嬉しいとも、ごめんとも言われなかった。これって、脈なしの遠回しな言い方なんだろうか。
結婚相談所で、告白や真剣交際の申し込みへの、考えさせて、を、両側から何度も見てきたが好きなら、考える必要は、本来ない。
好きなら、考える必要がない
心が動く速さと、判断に迷う速さは、そもそも別物なんだ。強く惹かれてる相手からの告白は、多くの場合、迷う前に、体が先に答えを出す。嬉しい、と即座に感じるか、無理、と即座に感じるか。どちらにしても、速い。
考えさせて、という答えが出る時、頭の中で動いてるのは、天秤なんだ。この人のいいところと、気になるところを、並べて計算してる状態。本当に強く惹かれてるなら、天秤に乗せる前に、答えはもう出てる。だから、まず正直に言っておく。考えさせて、の多くは、脈なしに近い。
それでも、脈が残る一つのパターン
考えてる中身が、具体的で、期限があるか
ただし、全部が全部、脈なしとは言い切れない。見分ける方法が、一つだけある。
考えたいと言われた時、その中身が、あなたへの好意の有無じゃなく、具体的で、期限のある外の事情だった場合。今、親の入院と重なってて、少し落ち着いてから、とか、今関わってる仕事の区切りがつくまで、とか。名前のついた宿題と、終わる日の見える宿題、この二つが揃ってるなら、それは、あなたへの評価とは別の場所で、時間が必要になってるだけかもしれない。
逆に、うまく言えないけど、ちょっと時間がほしくて、という、輪郭のない答えだった場合。これは、たいてい、好意の天秤が、まだ傾ききってない状態を、やわらかく言い換えただけ。具体性のなさそのものが、答えになってる。
相談所ならではの「考えさせて」の正体
ここで、婚活の現場ならではの話をしておきたい。相談所での交際は、基本的に、複数のお相手と並行して進められる仕組みになってる。
だから、真剣交際の申し込みに、考えさせて、という返事が来た時、実際にあった理由が、もう一人の候補との比較検討中、というケースだった。どちらか一人に絞り込む作業を、その瞬間、水面下でやってる。
これは、あなたへの好意がないからじゃなくて、別の宿題と同時進行だから、時間がかかってるだけ。実際、そうやって数日待った末に、真剣交際の申し込みを受けてもらえた会員を、何人も見てきた。一般の恋愛でも、これと似たことは起きる。他の誰かとの関係に、まだ区切りがついてない、というケースは、珍しくないんだ。
沈黙か、小さな接触か、を見る
判定材料を、もう一つ渡しておく。考えさせて、と言われてからの数日間、彼女から、まったく連絡が来ないか。それとも、告白の話題には触れないまま、小さな連絡だけは、途切れず来るか。
完全な沈黙は、心の距離も、同じだけ空いてる証拠になりやすい。一方で、今日こんなことがあって、みたいな、他愛のない連絡が、途切れず続いてるなら、あなたとの回線自体は、まだ生きてる。回答は保留でも、関係そのものは、切られてない。
考えてる最中の人は、まだ、あなたとの日常を、手放してない。手放した人は、日常ごと、静かに引いていく。
答えを急かすと、マイナスに転がる
待つのがつらくて、あの件、どうなった、と急かしたくなる気持ちは、痛いほど分かる。ただ、これは、逆効果になりやすい。
天秤がまだ揺れてる状態の人に、今すぐ答えを、と迫ると、人は、揺れを止めるために、どちらかに無理やり針を振ることがある。そして、振られる先は、たいてい、断る方。関係を続ける、という選択には、その後の責任が伴うけど、断る、という選択は、その場でスッと楽になれるから。急かされた圧が、天秤を、楽な方へ押してしまうんだ。
本当に迷ってる相手を、迷わせておくことも、時には必要な待ち方なんだと思う。
「少し考えさせて」と言われた、あの時の話
夫と付き合う前、実は、私も一度、少し考えさせて、と彼に言われたことがある。夫からの告白じゃなくて、私が誘った食事の誘いに対して、だったんだけど。
数日後、返ってきた答えは、実は、その週、転職の面接が立て込んでて、頭がいっぱいだった、というものだった。私への気持ちとは、まったく関係のない、彼自身の生活の事情。
あの数日、私は勝手にやきもきして、脈なしかもと落ち込んでたのに
あの時、彼は、考えさせて、と言った後も、仕事の愚痴の連絡だけは、いつも通り送ってきてた。今思えば、あの小さな連絡の継続が、答えだったんだと思う。
待つ間にできる、たったひとつのこと
返事を待つ間、何もしないのは、たしかにつらい。だから、一つだけ、やっていいことを渡しておく。
返事を催促するんじゃなくて、いつも通りの、他愛のない連絡を、一つだけ送ってみること。今日こんなことがあった、くらいの、軽いもの。答えを求める連絡じゃなくて、関係そのものを、静かに続けておく連絡。
これに対する反応の速さと温度が、実は、天秤の揺れ具合を、いちばん正直に映し出す。
それでも来た「ごめんなさい」への向き合い方
最後に、正直に言っておきたいことがある。考えさせて、の先に、ごめんなさい、が来る確率は、決して低くない。
それでも、勇気を出して伝えたこと自体は、失敗じゃない。伝えなければ、この宙ぶらりんの苦しさすら、味わえなかった。答えがどちらであっても、あなたは、動いた側の人間なんだ。
天秤が傾かなかったのは、あなたの価値の問題じゃなくて、ただ、縁のタイミングが、合わなかっただけ。答えが出たら、その答えを、静かに受け取っていい。
