いつにしようか、で止まってから、もう一週間経つ。返事が来ない。催促するのも変な気がして、でも待ち続けるのも消耗する。もうキャンセルを言い出してしまうべきか。
デートの内容が決まらない、キャンセルすべきか。
結婚相談所で7年、日程調整が止まったカップルの顛末を何十件と追ってきた立場から言う。
デートが決まらない状態に、三種類ある
相手のスケジュールが本当に詰まってる型
一つ目は、感情の問題じゃなくて、物理的な問題。仕事が繁忙期、家族の都合、体調を崩してる、引っ越しや手続きが重なってる。本当に余裕がない時期に、たまたま日程調整が始まった。
この型の特徴は、返事は来るけど、具体的な日程が出てこないこと。ちょっと今忙しくて、落ち着いたら連絡します、という形で一応の返事はある。完全に無視されてるわけじゃない。
動き方は、待つ一択。ただし期限を自分の中で決めておく。いつまでも待つのは消耗するし、相手も罪悪感を持ちながら宙ぶらりんになる。二週間たったら自分から別の日程を提案する、という期限を持っておく。
乗り気が薄れてきてる型
二つ目が、多くの人が心配してる型。最初は会いたかったけど、時間が経つにつれて気持ちが冷めてきた。別の出会いができた。いや、最初から乗り気じゃなかったけど断れなかった。
特徴は、返事そのものが来なくなること。既読スルー、返事が遅くなって短くなる、話題を変えてくる。日程の話に触れると、会話が詰まる感じがある。
この型に、もう一度日程を確認する連絡を打つのは、一回だけ有効で、それに反応がなければ答えが出てる。追い続けるのは消耗だけが残る。
決断力がそもそもない型
三つ目が、いちばん見落とされてる型。相手はあなたに会いたい気持ちはあるけど、日程を決めるという行動が、そもそも苦手な人。
具体的な日程を出すと、何か確定してしまう感じが怖い。先の予定を押さえることへの漠然とした抵抗がある。その結果、いつかそのうち、がずっと続く。
この型は、あなたが具体的な日程を先に出すと、意外とすぐ動く。待ってても永遠に決まらない。引っ張るんじゃなくて、具体を先に出す。これだけで解決することがある。
どの種類かで、動き方が全然違う
三種類を並べると、全部に同じ対処をすることの無理が分かる。
一つ目の型に待つのは正解で、追いかけるのは逆効果。二つ目の型に追いかけるのは消耗で、一度確認して反応がなければ撤退が正解。三つ目の型に待つのは永遠待ち続けることになる、具体を先に提示するのが正解。
同じデートが決まらない状態でも、対処が全部違う。診断なしに動くと、二つ目の型に一つ目の対処をして待ち続けたり、三つ目の型に二つ目の対処をして諦めてしまう、という取り違えが起きる。
宙ぶらりんが続くほど、関係のモメンタムが落ちる
ここが、現場で実感してたことで、覚えておいてほしい。
関係には、モメンタムという勢いがある。会った後の余韻、楽しかった記憶、次に会いたいという気持ち。これが動いてる間は、連絡が来やすい、返事が速い、会話が弾む。
宙ぶらりんが続くと、このモメンタムが落ちていく。毎日少しずつ。余韻が薄れ、次に会いたいという気持ちが日常に上書きされて、気づいたら、まあいつでもいいか、という状態になる。
相手が悪いとか、冷めたとか、そういう話じゃなくて、物理的な時間の経過がモメンタムを奪う。宙ぶらりんのまま待つことは、関係を安全に保つ行動じゃなくて、じわじわモメンタムを失い続ける行動なんだ。だから、どちらの型であっても、宙ぶらりんを早く終わらせる方が、関係のためになることが多い。
相談所で見た、日程調整が止まったカップルの行方
真剣交際中に、日程調整の返事が遅くなったカップルを追ってきた経験がある。
一週間の宙ぶらりんは、たいてい乗り越えられる。でも、二週間を過ぎると、面談で二人の会話の温度が変わってくる。三週間を過ぎると、どちらかが別の出会いの話を始める。一ヶ月宙ぶらりんのまま続いたカップルが、成婚まで行った例は、7年でほぼ記憶にない。
宙ぶらりんは、現状維持じゃなくて、緩やかな後退なんだ。タコ糸を緩めていくと、手元に戻ってくるんじゃなくて、流れていく。
だから、決まらないまま待つことの「安全」は、実際には存在しない。宙ぶらりんの方が、返事をもらって別れを告げられるより、痛みが少なく見えるだけ。でも、モメンタムを失い続けてから関係が終わった時のむなしさは、きっぱりした答えをもらった時より、たいてい重い。
キャンセルは、逃げじゃなく関係を守る手のこともある
キャンセルを先に言い出すのは、負けじゃないか、とためらう人が多い。
逆なんだ。宙ぶらりんのまま相手を縛り続けることの方が、相手に対して不誠実なことがある。向こうも、返事を出せないまま罪悪感だけ積み上げてる可能性がある。キャンセルを先に言い出すことで、相手を罪悪感から解放して、関係をきれいにリセットできる。
その後の相手の反応が、本当のことを教えてくれる。キャンセルを受け取って、あ、そうですか、で終わるなら、相手のモメンタムはもう止まってた。逆に、ちょっと待って、来週はどうですか、が来たなら、まだ動きがあるよ。
