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放っておけない女の正体は、自分のことを放っておける人間

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放っておけないは、かわいそうとは別の話

よくある答えは、天然、ドジ、弱さを見せる、笑顔が素直、というやつ。あれは正確じゃない。
かわいそうで手を出したくなる人と、放っておけないと思わせる人は、全然違う。
かわいそうは、上から目線で起動する感情。同情が燃料になってる。この感情で近づいた人は、相手が自立し始めると、むしろ離れていく。自分が必要なくなるから。
放っておけないは、もっと水平に近い感情。対等かそれ以上の人間が、何かと奮闘しているのを見て、手を差し出したくなる。燃料が同情じゃなく、尊重に近い。だから、自立が進むほど、むしろ深まる。

手を出したくなるのは、奮闘してる姿の前だった

助けを求めてる人より、一人で何とかしようとしてる人

感想シートの分析で、一番出てきたパターンを正確に書く。
助けてと言ってきた女性より、助けてと言わずに一人でなんとかしようとしてた女性への、放っておけないが多かった。
荷物が多くて、それでもエレベーターを探してる人を見て、持ちますよと言いたくなるのと、荷物を持ってくださいと言ってる人より、前者のほうが手を出したくなるでしょ。後者は、頼む相手を探してる。前者は、自分で解決しようとしてる。そこに、見てしまう何かがある。
担当した34歳の女性会員。引っ越してきたばかりで、地図を見ながら一人で歩いてた、とお見合い相手が話してくれた。迷ってたわけじゃなくて、自分で調べながら進んでた。声をかけようかどうか迷って、結局お見合いの席でそれを話したら盛り上がった、と。
彼女、特別なことは何もしてない。ただ、自分で何とかしようとしてただけ。

放っておけない女が持つ、たった一種類の弱さ

天然やドジという弱さじゃなくて、一種類だけ、本当に機能する弱さがある。
頑張ってるのに、そっちだけは苦手そう、という一点の弱さ。
仕事ができるのに、方向音痴で毎回笑ってる人。料理が上手なのに、電球を替えるのが怖い人。頼りになる友達なのに、一人で映画に入るのが苦手な人。
その一点の不完全さが、手を差し出す入り口になる。前の記事で書いた、かわいがられる人の取っ手と同じ構造。全体的に苦手な人への同情じゃなくて、全体的には強いのに、そっちだけは、という一点への、手を貸したい、が放っておけないの本体なんだ。

感想欄で、気になって仕方ないと書かれた人を追う

感想シートには、いくつかの定番の評価がある。いい人でした、楽しかったです、ご縁があれば。その中で、どうしても気になった、また会いたいと思った、放っておけない感じがした、という言葉が出た案件を、私はこっそりチェックしてた。成婚率が、体感でぶっちぎりに高かったから。
共通してた女性たちのプロフィールを見ると、共通点が一つだけあった。自分の生活を、ちゃんと持ってる、ということ。趣味が一個だけでも本気でやってる、仕事に軸がある、一人の時間を楽しんでる。誰かに依存して生活が成立してるんじゃなくて、自分の生活が自立してる。
その上で、そっちだけは一人じゃ手が届かない、という一点だけ、外に向いてた。
孤独に強い人の、一カ所だけ開いた窓。そこに気づいた人が、そっと入りたくなる。消えそうな炎は、水をかけたいんじゃなくて、風から守りたくなるのよ。

放っておけない女を演じると、逆効果になる

だから、弱く見せようとすること、ドジを演じること、困ったふりをすることは、逆効果になる。
人は、演技と本物の奮闘を、無意識に見分ける。本物の奮闘には、コストがかかってる。顔が真剣で、体に力が入ってて、うまくいかない時の小さな舌打ちがある。あれは演技にはできない。
計算で弱さを見せようとすると、不自然に柔らかすぎる。人が本当に一人で何かと格闘してる時の、あの質感がない。受け取る側は言語化できないまま、なんか違う、と感じる。近づく代わりに、引く。
お見合いで、あざとく見えた、という感想も何百枚と読んできた。あざといの正体は、ほとんどの場合、弱さの演技が見えた、だった。本物の弱さは、あざとく見えない。演じた弱さだけが、あざとい。

放っておけないの逆説。自分のことを放っておける人

放っておけないと思わせる女性の正体は、自分のことを、放っておける人間なんだ。
一人でいることが苦じゃない。誰かに確認してもらわなくても、自分の判断を信じられる。週末に一人で映画に行って、ちゃんと楽しめる。誰かに連絡しなくても、夜を過ごせる。孤独に強い人が持つ、静かな自立の空気。
自立してるから、頼ることができる。矛盾してるけど、本当。頼れない人は、頼ることへの罪悪感や恐怖が強すぎて、全部一人で抱えて折れる。頼れる人は、必要な時にだけ、必要な分だけ、自然に差し出せる。そのナチュラルな頼り方が、手を出したくなる。
岩には誰も水をやりたいと思わない。植物は、自分で根を張りながら、雨を待ってる。その両方を持ってる人に、水を運びたくなる。

この魅力の、一つの危うさ

放っておけないという評価は、文脈によって、保護の対象として見られている、と近い場合がある。相手を守ってあげたい、世話をしたい、という感情は、対等なパートナー関係とは少し違う軸から来てることがある。
婚活でも見た。放っておけないと言われ続けた女性が、保護者のような夫を選んで、意見を言いにくい関係になっていったケースが、ゼロじゃなかった。
放っておけないは、関係のスタートとしては強い引力になる。ただ、長く続く関係には、最終的には対等が要る。引力で引き寄せながら、対等で繋ぎ止める。その両方が揃って、初めて安心できる場所になる。
奮闘してる姿で惹きつけながら、意見を言えて、怒れて、選べる人でいること。それが、放っておけないという魅力を、長く使える形にする。

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