逆玉という言葉への、最初の誤解
逆玉という言葉を聞くと、玉の輿の逆、つまり男性がお金持ちの女性と結婚して楽をする、というイメージが先に来る。でも結婚相談所でアドバイザーをやってきて、ハイスペックな女性と結婚した男性の話を何組も見てきた経験から言うと、このイメージはかなり的外れだ。
ハイスペックな女性に選ばれた男性は、楽をしようとしていた人じゃなかった。むしろ、自分なりの軸を持っていて、ハイスペックな女性の横に立てるだけの何かを持っていた人だった。逆玉の正体と、実際に選ばれた男性に何があったかを書いていく。
ハイスペック女性の定義を先に整理する
ハイスペック女性という言葉の中身も、整理しておく必要がある。高年収、高学歴、専門職、または資産家の家庭出身。これらが組み合わさっていることもあれば、一つだけの場合もある。
相談所でハイスペックな女性会員と関わってきた経験から言うと、外側のスペックより、内側の自立度の方が、その女性の本質を表していることが多かった。経済的に自立している、精神的に自立している、自分の意志で動ける。この自立度が高い女性を、ここではハイスペックと呼ぶ。
ハイスペック女性が男性に求めているものの実態
年収を求めていない場合が多い
これが一番の誤解だ。ハイスペックな女性は、男性に同等以上の年収を求めていると思われがちだ。でも現場で聞いてきた本音は全然違った。
自分が十分に稼げているから、相手の年収はそこまで重視しない。それより、一緒にいて対等に話せるか、自分のキャリアや生き方を尊重してくれるか、の方が重要だという声が多かった。
むしろ、自分より年収が高い男性に管理されることへの抵抗感を持っている女性の方が多かった。お金で関係に上下を作りたくない、という感覚だ。
対等さを求めている
ハイスペックな女性が一番求めているのは、対等に向き合える関係だ。自分の仕事を尊重してくれる、自分の意見を対等に受け取ってくれる、下に見ない、でも上にも見ない。この対等さが、関係の基盤として求められている。
年収や学歴での比較ではなくて、人間として対等に向き合えるかどうか。これがハイスペック女性との関係の核心だ。
35歳の女性会員、奈緒さんは外資系企業で働いていて、年収も高く、周囲からは条件のいい男性を選ぶべきと言われていた。でも彼女が求めていたのは、私の仕事を応援してくれる人、私が遅く帰っても文句を言わない人、でも自分の生活も持っている人、だった。スペックより、生き方への理解と尊重を求めていた。
精神的な安定と余裕を求めている
ハイスペックな女性は、仕事や社会的な場面でのプレッシャーを日常的に受けていることが多い。だから家に帰ったとき、または一緒にいるとき、安心できる相手を求めている。
精神的に安定している男性、機嫌の波が小さい男性、感情的にならない男性。これらが求められるのは、自分が外で消耗した分を、関係の中で回復したいからだ。
逆玉と呼ばれる関係で選ばれた男性の共通点
自分の軸を持っている
相談所でハイスペックな女性と成婚した男性に、共通していた特徴の筆頭がこれだ。自分なりの価値観、仕事への姿勢、生き方への意志。これらが明確にある男性は、ハイスペックな女性の前でもぶれない。
ハイスペックな女性は、相手が自分に合わせてばかりいることを嫌う傾向がある。何でもいいよ、あなたに任せる、という男性への居心地の悪さを感じることが多い。自分の軸を持った男性が、対等な存在として受け取られる。
38歳の男性会員、健志さんは年収は平均的なサラリーマンだったけど、自分の仕事への信念と、休日の過ごし方への独自のこだわりがあった。交際したハイスペックな女性から、この人は自分の世界を持っている、と評価されたと後から聞いた。軸があることが、対等さの証明になっていた。
相手のキャリアや生き方を心から尊重できる
口では尊重すると言える男性は多い。でも本当に心から尊重できているかどうかは、行動に出る。残業が続いても文句を言わない、仕事の話を真剣に聞ける、出張を嫌がらない、相手のキャリアの変化を一緒に喜べる。
この尊重が本物かどうかを、ハイスペックな女性はかなり正確に感じ取る。口での尊重と、行動での尊重のズレを見抜く目が、ある種の経験から育っていることが多い。
嫉妬しない、または嫉妬をコントロールできる
ハイスペックな女性は、社会的な場で男性と関わることが多い。取引先、同僚、上司。この状況への嫉妬が強い男性との関係は、長続きしにくい。
嫉妬しない、という状態は簡単じゃない。でも嫉妬を感じても、それを相手への攻撃や制限に変えないコントロールができる男性は、ハイスペックな女性の生き方と一緒にいられる。
家事や生活への関わりが自然にできる
ハイスペックな女性が仕事に時間を使っている分、家事や生活面を自然に分担できる男性が求められている。分担するという意識を強く持っているより、自然にできている状態が理想だ。
家事ができる、という特性を前面に出しすぎる男性は、それが交渉材料になっている感じを与えることがある。自然にやっているから特別に言わない、という状態が、むしろ評価される。
ハイスペック女性との出会い方
結婚相談所は、出会いの質が高い
ハイスペックな女性との出会いの場として、結婚相談所は実際に機能しやすい。婚活への意思が明確な人が集まっているからだ。趣味のコミュニティやマッチングアプリと違って、真剣度が共通の前提になっている。
相談所の中でも、会員の質に差がある。複数の相談所を比較して、入会者層を確認することが大事だ。
自分の仕事や生き方を磨くことが出会いの準備になる
ハイスペックな女性に選ばれるための準備として、一番効果が高いのは自分の仕事や生き方を磨くことだ。出会いの場を増やすより先に、出会ったときに対等に立てる自分になることの方が重要だ。
年収を上げることより、自分の軸を作ること。外側のスペックより、内側の充実度。これがハイスペックな女性を引き寄せる磁場になる。
健志さんが奈緒さんに選ばれたのも、出会いの場の工夫より、自分の生き方への誠実さが先にあった。その誠実さが、奈緒さんの目に届いた。
ハイスペックな女性が集まりやすい場を知る
相談所以外での出会いを求めるなら、ハイスペックな女性が集まりやすい場として、専門的な勉強会やセミナー、業界のコミュニティ、社会人向けのスポーツやアクティビティが挙げられる。共通の関心から入れる出会いは、最初から話題と温度が一致しやすい。
ただし、出会いの場を目的で選ぶより、自分が本当に関心を持てる場を選ぶことが大事だ。目的で来ている人間の空気は、相手に伝わる。
逆玉を目的にすることの危うさ
楽をしたいという動機は、必ず伝わる
ハイスペックな女性と結婚して楽をしたい、という動機で動くと、その動機は相手に伝わる。ハイスペックな女性は、相手の動機を読む力が高いことが多い。社会的な場で様々な人間と関わってきた経験が、人を見る目として育っている。楽をしたいという動機がバレた瞬間に、関係は終わる。または始まりもしない。
対等でいることへの覚悟が必要だ
逆玉という関係は、外側からは男性が得をしているように見える。でも内側では、ハイスペックな女性の横に対等に立ち続けることへの覚悟が必要だ。
相手の方が年収が高い、相手の方が社会的な評価が高い。この状況の中で、自分を卑下せず、かつ相手を見上げすぎず、対等でい続けることは、思っているより難しい。
健志さんは成婚した後も、奈緒さんの年収が自分より高いことへの感覚を正直に話してくれた。最初は気になった、でも彼女が私の仕事を尊重してくれているから、私も彼女の仕事を尊重できる、という感覚になっていった、と。対等さは、どちらかが努力するものじゃなくて、両方で作るものだった、と言っていた。
逆玉とは、男性が楽をする関係じゃない。対等に向き合える関係を、ハイスペックな女性と作れた結果として呼ばれる言葉だ。その順番を間違えない限り、逆玉は現実になりうる。
